足の少陰腎経27穴。
覚えやすい区切りに分け、
語源と漢字の意味を知り、
ゴロ合わせに頼る
と覚えやすくなります。教科書は文字ばっかりでイメージしづらいですよね。カラフルにまとめてみます。ぜひ参考にしてみてください!
目次
足の少陰腎経 覚え方
私の経穴の覚え方は、
覚えやすい区切りをつけ、区切りの中で語源などで経穴を覚えて、
何度も反復して流れを覚えてしまい、
印象が残りにく、忘れやすい位置、重要なところをゴロ合わせなどで補足するようにしています。
👇参照記事
場所を示しつつ紹介していきたいと思います。
湧泉 然谷 太渓 大鐘 水泉 照海 復溜
KI1 湧泉 |
足底 最陥凹部 |
足底から気血の泉 が湧く ※腎経の井木穴 |
KI2 然谷 |
舟状骨粗面下方 赤白肉際 |
舟状骨=然骨 燃える谷 ※腎経の榮火穴 |
KI3 太渓 |
内果尖と アキレス腱の間 |
腎水が集まった 大きな渓谷 ※腎経の兪土穴、 腎の原穴 |
KI4 大鐘 大鍾 |
内果後下方 踵骨上方 |
大きい踵の骨 ※腎経の絡穴 |
KI5 水泉 |
太渓下方1寸 踵骨隆起前方 |
太渓の下に集まる 腎水の泉 ※腎経の郄穴 |
KI6 照海 |
内果尖下方1寸 内果下方 |
然谷の火に 照らされる海 ※八脈交会穴 |
KI7 復溜 |
アキレス腱前縁 内果尖上方2寸 |
流中が復して溜る ※腎経の経金穴 |
足の経穴7穴です。
復溜まではなんとか呪文のように順番を覚えつつ、
ぐるっと回る特殊な経脈の流れは、
鬼滅の刃の水の呼吸のようなイメージで、、覚えています。
こんな感じ?!↓↓
湧泉から湧いた水が、
然谷、太渓へ巡り、
大鐘で一度支流へ逸れて、水泉、照海へと回ったら、
本流の復溜へ戻ってくる・・みたいな!!
ちょうど腎は五行でいうと水の配当で、
納気っていう呼吸を補助する生理作用がありますよね。全集中の呼吸だ。
然谷は舟状骨の下方。
足の舟状骨が取穴に関わるツボは、舟状骨の下の然谷と、舟状骨の上、脾経の商丘がありました。
商丘は「舟の上の商人」と覚えました。
然谷は、「舟の下の燃料然谷」という覚え方でいかがでしょうか。。ちょうど榮火穴だし。。
太渓は膀胱経の崑崙の逆側にあります。
太渓側には後脛骨動脈があり、拍動が取れますが、崑崙側は動脈拍動はありません。
動脈拍動部は他にも肺経の太淵や肝経の太衝など、陰経上で原穴かつ動脈拍動部、というところが多いです。
大鍾の鍾は踵骨を指すと言われています。
他の絡穴に比べると絡穴感があまりないですが、
大「鐘」と書くと(どちらでも正解)、
時の始まりや終わりを告げる鐘、これまでと違う何かが始まるような分かれ目の合図なニュアンスが出てきます。
だから大鐘は絡穴です!!!!
水泉は腎の中でも水の属性パワーマックス撃退郄穴!!
というイメージで覚えています。腎経のパワーがあふれる原穴:太渓の下1寸でもありますね。
泉の次はでかくなって海。
照海は、八脈交会穴の覚え方の別記事で覚えましょう。内果の下1寸です。
交信 築賓 陰谷
KI8 交信 |
脛骨内縁の後方 内果尖上方2寸 |
脾経に交わる 信=月経が時期通り ※陰蹻脈の郄穴 |
KI9 築賓 |
ヒラメ筋と アキレス腱の間 内果尖上方5寸 |
築=腓腹筋が堅い 賓・客=陰維脈 ※陰維脈の郄穴 |
KI10 陰谷 |
半腱様筋腱外縁 膝窩横紋上 |
陰経、陰側 膝窩の谷 ※腎経の合水穴 |
復溜と交信は同じ高さです。
内果尖の上方2寸に2穴ですね。
どっちがどっちかややこしいですが、
三陰交側が交信
で覚えています。
腎経はそもそも陰側でいう膀胱経、ふくらはぎの後ろを走るので、
正規ルートといえる後方が復溜ですね。
築賓は内果尖の上方5寸。復溜の上方3寸です。
膀胱経と隣り合わせの腎経らしい位置にあります。
あんまりいい覚え方が無くて、、5寸だし、
筑後川筑5川ちく5がわ・・がどうしても出てきます。水関連だし、、
筑後川昇開橋は5月12日から5月31日までの間、新型コロナウィルス感染症と最前線で戦うすべての医療・保健関係者への心からの感謝と敬意の気持ちを表すためブルーライトアップを行います。(日没~22時)#ブルーライトアップ#がんばったけど昇開橋は赤い pic.twitter.com/VMkjtYyrjE
— 大川市広報(公式) (@okawa_PR) May 14, 2020
いい覚え方が発明出来たら追記します!
また、交信は陰蹻脈の郄穴、築賓は陰維脈の郄穴というのもややこしいですが、
陰蹻脈の蹻は踵かかとを意味しているので、
踵側の交信 陰蹻脈の郄穴
踵から遠い築賓 陰維脈の郄穴
と覚えています。
合水穴、陰谷。
陰維脈・陰蹻脈の郄穴があることで、陰谷まですべて要穴でした。
陰谷と合わせて覚えるべきは、筋肉です。
鵞足と呼ばれるところがあります。
大腿の縫工筋、薄筋、半腱様筋が腱となり膝の内側で脛骨の上部に付着している部分が、
鵞鳥の足のような形をしているところです。
半腱様筋腱の外側、つまり委中寄りが陰谷です。
陰谷まできたら次は一気に飛んでお腹のツボです。
横骨 大赫 気穴 四満 中注 肓兪
KI11 横骨 |
臍中央下方5寸 前正中線外方5分 |
横骨=恥骨 |
KI12 大赫 |
臍中央下方4寸 前正中線外方5分 |
赤子によって 大きくなる |
KI13 気穴 |
臍中央下方3寸 前正中線外方5分 |
納気の穴 |
KI14 四満 |
臍中央下方2寸 前正中線外方5分 |
腹部四番目 腹満に効果 |
KI15 中注 |
臍中央下方1寸 前正中線外方5分 |
腎気が集中し 注ぐ |
KI16 肓兪 |
臍中央外方5分 | 肓膜=腸間膜 |
臍までのツボ6穴です。
正中線の両脇5分ってほぼ任脈やん、、
こんな1穴1穴オリジナリティーあふれる名前付けして使うんかいって私は思ってしまうのですが、
国試までは記憶が持つようにしないといけません。。
任脈と合わせて覚えましょう。
横骨は任脈の曲骨の横で分かりやすいですね。
大赫は「大きく輝く」を意味し、膀胱の募穴、中極の隣です。
また、「大きな赤ちゃん」という意味もあり、同じ高さの前正中線外方3寸には、奇穴の子宮があります。
お隣さんの効能どおり、大赫も、膀胱炎、尿道炎や精力増強、婦人科系疾患に効くツボ・・と出てきます。
気穴は関元の隣。
関元といえば、まさに先天の気が集まるところなので、その隣に「気穴」があるのは分かりやすいです。
「穴」とつくツボがあるのは唯一ここだけ。気穴穴とは言えないので足三里穴とか言えなくなってしまいますね。。
ここまで任脈と合わせて覚えたうえで、結局ゴロだより。
横の大 穴 満杯に 注入!
でなんとかストーリー性をこじつけて覚えています。。
肓兪、膀胱経にいそうだけど、「〇兪」というツボでお腹側にあるのは唯一これです。
膀胱経の膏肓は神堂の近くにありましたが、
肓兪は神闕の近くにある・・となんか神を守っているのが肓なのかなと思っています。
商曲 石関 陰都 腹通谷 幽門
KI17 商曲 |
臍中央上方2寸 前正中線外方5分 |
商=肺・大腸 が曲がる |
KI18 石関 |
臍中央上方3寸 前正中線外方5分 |
石=腹直筋 飲食の関所 |
KI19 陰都 |
臍中央上方4寸 前正中線外方5分 |
少陰の都 |
KI20 腹通谷 |
臍中央上方5寸 前正中線外方5分 |
穀物が通過 |
KI21 幽門 |
臍中央上方6寸 前正中線外方5分 |
胃の上部 |
臍上方1寸にはツボがないのが注意です。
なぜないのか・・と思うときりがないですが、
腸間膜や脂肪の膜を意味する肓兪が
厚い層で1寸上までいるから!
と勝手に思っています。
あとは順番を覚えるだけなのですが、順番が覚えづらい。
任脈と並べても、関連があんまりないです。
なので、語呂合わせで覚えます。
商店街を曲がり石の都。腹くくって通るその幽霊の門!
でこちらもなんとかストーリー性をこじつけて覚えています。。
解剖学的に、胃の入り口が噴門、胃の出口が幽門ですが、
ツボは入口付近が幽門ですね。ややこしや~
歩廊 神封 霊墟 神蔵 彧中 兪府
KI22 歩廊 |
第5肋間 前正中線外方2寸 |
廊=両側 歩きはじめ |
KI23 神封 |
第4肋間 前正中線外方2寸 |
神=心臓 封鎖する |
KI24 霊墟 |
第3肋間 前正中線外方2寸 |
霊=心臓 墟=廃墟 |
KI25 神蔵 |
第2肋間 前正中線外方2寸 |
神=心臓 腎気が蔵される |
KI26 彧中 |
第1肋間 前正中線外方2寸 |
彧=肋骨の並び 中 |
KI27 兪府 |
鎖骨下縁 前正中線外方2寸 |
腎経が集まる |
第5肋間から上6穴です。
胃経と脾経が腹と胸何寸通るのか
が混乱してたけど…
漢字をヒントにした覚え方発明できた\( ˆoˆ )/\( ˆoˆ )/\( ˆoˆ )/ pic.twitter.com/Rpu1YxUDx1— とも🏺鍼灸あまし学生ブロガー (@tmotsubo) March 13, 2020
胸を通るのは脾経が正中線外6寸、胃経が外4寸、腎経は外2寸で、2の倍数で覚えやすいです。
しかもどれも、腹↔胸のひとつながりの経脈でいうと、下端は第5肋間です。
(脾経の大包は周栄から下がって第6間で、胸↔腹と続いていないという意味で)
しかも第一肋間までかと思いきや、鎖骨下縁でフィニッシュ。
ここも順番がとにかく覚えづらいです。神様何回出てくるねん。
ホロウを封じた冷蔵中府!
でこちらもなんとかストーリー性をこじつけて覚えています。。
ホロウは少年ジャンプのBLEACHを思い浮かべる人もいらっしゃるかと思いますが、
悪霊とかそういうやつらですね。歩廊の読みがそのままホロウなので、
封じて冷蔵庫ならぬ冷蔵した中府に入れよう!という語呂です。
中府は言わずもがな肺経の一番最初の経穴ですが、彧中と兪府を合体しました。
足の少陰腎経 流注
足の少陰腎経は、足の太陽膀胱経の脈気を受けて足の第5趾の下に起こり、
斜めに足底中央に向かい、舟状骨粗面の下に出て内果の後をめぐり、分かれて踵に入る。
下腿後内側、膝窩内側、大腿後内側を上り、体幹では腹部の前正中線外方5分、
胸部では前正中線線の外方2すんを上り、本経と合流する。
大腿後内側で分かれた本経は、脊柱を貫いて肺に入り、気管を巡って舌根を挟んで終わる。
胸部で分かれた支脈は心につらなり、胸中で手の厥陰心包経につながる。
国家試験問題にチャレンジ
(はき第22回-106)[経絡経穴概論]
足通谷は膀胱経、腹通谷は腎経のツボなので表裏関係にあり、正解です。
(はき第21回-110)[経絡経穴概論]
半腱様筋腱の外側縁にあるのは陰谷です。位置関係が難しいので、覚えにくいです。
以上、参考になれば幸いです!!
他の経脈の覚え方はこちら↓
解剖経穴についてはこちら↓
主さんのおかげで経絡経穴なんとかなりそうな気がしてきました!
理系出身で暗記から逃げてきた私にとって、解剖学以上に厄介なかもくなので助かります。
ところで、
KI4 大鐘ですが、「大きい踵骨」との関連でしたら、教科書(東京療法学校協会)のとおり大錘と表記したほうが判りやすいと思うのですが、なぜ旁(つくり)が童の方を取られているのか教えていただきたいです。
ツボ単のP139によると「大錘」は踵骨の形が大きな鐘のようにみえるため~」との記載なので、金偏(かねへん)に旁(つくり)が童の鐘(かね)とするのは納得ですが、
覚え方を重視するのでしたら旁(つくり)を踵と統一して、錘(おもり)とした方が連想しやすいかなぁと思うのですが…
鍼灸2年生さま
コメントありがとうございます。
経絡経穴お役に立ててよかったです。
「大鍾」と「大鐘」ですね。
私は無意識に鐘のほうを使っていました。
特にこだわりはなかったのですが、踵骨との関連で覚えるの、いいですね!
いったん併記という形にしてみます。ありがとうございます。