手の太陽小腸経１９穴の簡単な覚え方！語源イメージと語呂合わせで完璧！学生向け

手の太陽小腸経１９穴。

覚えやすい区切りに分け、

語源と漢字の意味を知り、

ゴロ合わせに頼る

と覚えやすくなります。教科書は文字ばっかりでイメージしづらいですよね。カラフルにまとめてみます。ぜひ参考にしてみてください！

手の太陽小腸経　教科書一覧

		部位	要穴	その他	筋肉	筋枝	皮枝	血管
SM1	少沢	小指， 末節骨尺側， 爪甲角の近位内方1分.	井金穴				尺骨神経(背側指神経)	背側指動脈
SM2	前谷	小指， 第5中手指節関節尺側の遠位陥凹部， 赤白肉際.	滎水穴				尺骨神経(背側指神経)	背側指動脈
SM3	後渓	手背， 第5中手指節関節尺側の近位陥凹部， 赤白肉際.	兪木穴・ 八脈交会穴		小指外転筋	尺骨神経	尺骨神経(背側指神経)	背側指動脈
SM4	腕骨	手関節後内側， 第5中手骨底部と三角骨の間の陥凹部， 赤白肉際.	原穴		小指外転筋	尺骨神経	尺骨神経(背側指神経)	背側指動脈
SM5	陽谷	手関節後内側， 三角骨と尺骨茎状突起の間の陥凹部.	経火穴		尺側手根伸筋(腱)	橈骨神経	尺骨神経(手背枝)	尺骨動脈(背側手根枝)
SM6	養老	前腕後内側， 尺骨頭橈側の陥凹部， 手関節背側横紋上方1寸.	郄穴				内側前腕皮神経	尺骨動脈(背側手根枝)
SM7	支正	前腕後内側， 尺骨内縁と尺側手根屈筋の間， 手関節背側横紋上方5寸.	絡穴		尺側手根屈筋	尺骨神経	内側前腕皮神経	後骨間動脈の枝
SM8	小海	肘後内側， 肘頭と上腕骨内側上顆の間の陥凹部.	合土穴	尺骨神経溝	尺側手根屈筋	尺骨神経	内側前腕皮神経	尺側反回動脈 (尺骨動脈の枝)・ 上尺側側副動脈(上腕動脈の枝)
SM9	肩貞	肩周囲部， 肩関節の後下方， 腋窩横紋後端の上方1寸.			三角筋・小円筋， 上腕三頭筋(長頭)， 大円筋	腋窩神経， 橈骨神経， 肩甲下神経	上外側上腕皮神経	後上腕回旋動脈・ 肩甲回旋動脈
SM10	臑兪	肩周囲部， 腋窩横紋後端の上方， 肩甲棘の下方陥凹部.			三角筋， 棘下筋	腋窩神経， 肩甲上神経	鎖骨上神経	後上腕回旋動脈・ 肩甲上動脈
SM11	天宗	肩甲部， 肩甲棘の中点と肩甲骨下角を結んだ線上， 肩甲棘から3分の1にある陥凹部.			棘下筋	肩甲上神経	肋間神経(外側皮枝)・ 胸神経後枝	肩甲回旋動脈・ 肩甲上動脈
SM12	秉風	肩甲部， 棘上窩， 肩甲棘中点の上方.			僧帽筋， 棘上筋	副神経・頸神経叢の枝， 肩甲上神経	胸神経後枝	肩甲上動脈
SM13	曲垣	肩甲部， 肩甲棘内端の上方陥凹部.			僧帽筋， 棘上筋	副神経・頸神経叢の枝， 肩甲上神経	胸神経後枝	頸横動脈・ 肩甲上動脈
SM14	肩外兪	上背部， 第1胸椎棘突起下縁と同じ高さ， 後正中線の外方3寸.			僧帽筋， 肩甲挙筋	副神経・頸神経叢の枝， 肩甲背神経	胸神経後枝	頸横動脈
SM15	肩中兪	上背部， 第7頸椎棘突起下縁と同じ高さ， 後正中線の外方2寸.			僧帽筋， 肩甲挙筋	副神経・頸神経叢の枝， 肩甲背神経	胸神経後枝	頸横動脈
SM16	天窓	前頸部， 胸鎖乳突筋の後縁， 甲状軟骨上縁と同じ高さ.			広頸筋， 胸鎖乳突筋	顔面神経(頸枝)， 副神経・頸神経叢の枝	頸横神経	浅頸動脈
SM17	天容	前頸部， 下顎角の後方， 胸鎖乳突筋の前方陥凹部.			胸鎖乳突筋， 顎二腹筋後腹	副神経・頸神経叢の枝， 顔面神経(顎二腹筋枝)	大耳介神経	後頭動脈
SM18	顴髎	顔面部， 外眼角の直下， 頬骨下方の陥凹部.			小頬骨筋・ 大頬骨筋	顔面神経(頬骨枝)	上顎神経(三叉神経第2枝)	顔面横動脈・眼窩下動脈
SM19	聴宮	顔面部， 耳珠中央の前縁と下顎骨関節突起の陥凹部.					下顎神経(三叉神経第3枝)	浅側頭動脈

手の太陽小腸経　覚え方

少沢 前谷 後渓 腕骨 陽谷

SM1 少沢	小指末節骨尺側 爪甲角の 近位内方１分	少陰の気、小指の 沢＝支流 ※小腸経の井金穴
SM2 前谷	第５中手指節関節 尺側の遠位陥凹部 赤白肉際	前＝中手指節関節の遠位 谷＝陥凹 ※小腸経の榮水穴
SM3 後渓	第５中手指節関節 尺側の近位陥凹部 赤白肉際	後＝中手指節関節の近位 渓＝谷を流れる川 ※小腸経の兪木穴、 八脈交会穴
SM4 腕骨	第５中手骨底部と 三角骨の間の陥凹部 赤白肉際	腕を支える 骨 ※小腸の原穴
SM5 陽谷	三角骨と 尺骨茎状突起 の間の陥凹部	陽経、火穴 谷＝くぼみ ※小腸経の経火穴

指先から手首までの5穴までです。

少沢。

指先で接続する経脈の井穴は、同じ漢字が使われている、なんて法則があります。

小腸経は少陰心経の少衝からの流れを受けた少沢から始まって、手の一番小指側を走ります。

ちなみにこの「少」。

「小」に動作「ノ」を加えた「少なくなる」を意味していて、まさに経脈の流れ始めの井穴な漢字かもしれません。

心経と小腸経の走行を混同しやすいですが、少沢は尺側なのがいいですね。

また、沢といえば、合水穴で肘にある肺経の尺沢、心包経の曲沢、ですね。

少沢は尺沢や曲沢に比べたら「少ない」沢、ということなんでしょうか。。

これから尺沢と曲沢を指すときは少沢で指せば覚えるかもしれません！

前谷と後渓は大腸経の二間三間の関係ですね。

拳の前後です。

後渓は八脈交会穴かつ、兪木穴。兪木穴のあとには原穴があります。

小腸経の原穴は腕骨です。

上腕骨や橈骨・尺骨をイメージしそうですが、それらの腕の骨を支える手根骨です。

逆立ちとか腕立て伏せのときにこの腕骨穴が。このちっぽけな（小腸経だけに）腕骨穴が頑張っている！！と思うとけなげです←

図で青く示された三角骨を挟んで、腕骨と陽谷があります。

経火穴・陽谷は大腸経の経火穴タバコ窩にある陽渓と同じ手関節横紋上にあります。

尺骨頭がボコっと山になって、尺屈したら一気にへこんでしわができて。

陽谷のあるポイントは陥凹して確かに谷っぽいといわれたら谷です。

見えますかね・・？

養老 支正 小海

SM6 養老	尺骨頭橈側 手関節横紋 上方１寸	水穀の精微で 老いを養う ※小腸の郄穴
SM7 支正	尺骨内縁と 尺側手根屈筋の間 手関節横紋 上方５寸	支脈、枝分かれ 正経 ※小腸の絡穴
SM8 小海	肘頭と 上腕骨内側上顆 の間	小腸経の 海 ※小腸経の合土穴

陽谷→養老とようよう続き、支正→小海とししょうとなっているので、

よう！ようろうししょう

と覚えたりしてます。

ちなみに、小腸経、意外にも合土穴の小海まですべて要穴。

SM8の小海までで、五兪穴＋原郄絡の8穴が揃います。

養老といえば、岐阜県にある養老の滝が思い浮かびますよね～～

#諸国瀧廻り「美濃ノ国 養老の瀧」#葛飾北斎https://t.co/dwjE55QafJ#養老の滝 は #岐阜県 #養老町 にある名瀑。その豊かな水量は３０メートル真下の滝壺へ落下し四方へ霧の如く散ってゆく。臨場感溢れる画面は本揃中でも群を抜く作品と言える。桜や紅葉の…#浮世絵 #Ukiyoe #HokusaiKatsushika pic.twitter.com/QjaeepW918

— 東京伝統木版画工芸協同組合 (@edohanga) April 29, 2020

養老の滝に訪れた天武天皇時代らへんの元正天皇という女性天皇は、

病に効く水やこれは～～！と感銘し、改元して「養老」という年号を作ったりしています。

今風に言えば、アンチエイジングに効きそうなミネラルたっぷりのいいお水や～～！ということですかね・・

劇的に効きそうな郄穴感あります！！

ちなみに、教科書には、取り方として、

前弯を回内して手掌を下に向け、指で尺骨頭の頂点を押さえながら回外して手掌を胸につけると、指が滑り込む骨の割れ目にとる。

とおしゃれな取り方が書いてあり、この通りにやるとほんとに骨の割れ目に指が滑るのを感じてビビります。尺骨頭の親指側。押しながら覚えましょう。

支正は、正しいという字が５画なので５寸で覚えています。多数決で数えましたよね。

漢字も正経の分枝という意味で、絡穴っぽいですね。

心経の少海と小海の違いがよく問われますが、

少陰心経が少海、太陽小腸経が小海。

陰側の前腕屈筋の起始・内側上顆にあるのが少海、

陽側の肘頭側、尺骨神経溝にあるのが小海です。

肘をぶつけるとビリッと痺れる「ファニーボーン」はなぜ起こる？https://t.co/NZxHjtWuhL

肘をぶつけ痺れた経験ありますよね。この現象は骨ではなく「尺骨神経（ｼｬｯｺﾂｼﾝｹｲ）」を打つことで起こります。「ヒューメラス(上腕骨)」→「ユーモラス(おかしな)」→「ファニーボーン」が語源だそう pic.twitter.com/0tHPSrtxlv

— ナゾロジー@科学ニュースメディア (@NazologyInfo) June 21, 2021

ぶつけると痺れるので、ファニーボーンと呼ばれます。尺骨神経支配の小指までひびくので、

小指までひびく小海、とも覚えています。

肩貞 臑兪 天宗 秉風 曲垣 肩外兪 肩中兪

SM9 肩貞	腋窩横紋後端の 上方１寸	肩 貞＝上肢を動かしても 位置が定まる
SM10 臑兪	腋窩横紋後端の上方 肩甲棘の 下方陥凹部	臑＝三角筋 兪＝注ぐ穴
SM11 天宗	肩甲棘の中点と 肩甲骨下角を結んだ線上 肩甲棘から３分の１	天＝上部、星 宗＝集まる、中心
SM12 秉風	棘上窩 肩甲棘中点の上方	秉＝稲の束を掴む 風邪
SM13 曲垣	肩甲棘内端の 上方陥凹部	曲＝肩甲骨内縁の湾曲 垣＝縁
SM14 肩外兪	第１胸椎棘突起下縁 後正中線の外方３寸	肩の 外にある経穴
SM15 肩中兪	第７頸椎棘突起下縁 後正中線の外方２寸	肩の 真ん中寄りの経穴

一気に肩にいきます。

小腸経で一番ややこしいところです。ジグザグしています。

位置を確認してみましょう▶

ややこしいところは説明しています。

臑兪は、三角筋の意味である臑という漢字の経穴が他にも近くにあってややこしいです。

が、この臑兪の兪はこのあとにある肩外兪や肩中兪に続くのだ！と思えば覚えやすいです。

この中で初めて見る漢字は秉風の秉でした。

調べてみたら、木偏を加えた

「棅」という字は刀などの掴む部分、

つか＝柄と同じ漢字のようです。

（竜と龍が同じ、みたいな関係）

柄はヘイとも読むし、秉の元々の「稲を掴む」という意味に「つか」がリンクしてますね。

また、四文字熟語に

というのがあるらしく、（カッコいい）

秉風は「風邪を捕まえる」という意味であると想像できます。

肩甲棘って別名天使の羽って言ったりしますが、

肩甲棘に稲束置いたら、天使の羽っぽくなりそうじゃないですか・・？

また、曲垣は肩甲棘内端の上方陥凹部、

続く肩外兪は第１胸椎棘突起下縁で後正中線の外方３寸

ですが、思い出してほしいのが、骨度法。

肩甲棘の触診が小腸経ではとても重要なので、復習しておきましょう！！

天窓 天容 顴髎 聴宮

SM16 天窓	胸鎖乳突筋の後縁 甲状軟骨上縁 と同じ高さ	天＝頭 窓
SM17 天容	下顎角の後方 胸鎖乳突筋の 前方陥凹部	天＝頭 容＝入れ物
SM18 顴髎	外眼角の直下 頬骨下方の陥凹部	顴＝頬骨 髎＝くぼみ
SM19 聴宮	耳珠中央の前縁と 下顎骨関節突起 の間の陥凹部	聴覚 宮＝中心

別記事にて胸鎖乳突筋周辺のツボを合わせて覚え方を書いています。

あわせて読みたい

胸鎖乳突筋の経穴の簡単な覚え方！甲状軟骨・輪状軟骨・下顎角の高さ、前縁・後縁の位置が分かる│経絡経...胸鎖乳突筋周辺の経穴。胸鎖乳突筋の前縁なのか後縁なのか、甲状軟骨の高さなのか輪状軟骨の高さなのか・・など、とてもややこしくて覚えづらいです。カラフルにまとめ...

顴髎の顴は頬骨という意味で、似た場所に大腸経に巨髎というツボがあり、どちらも美容鍼ではメジャーなポイントです。

聴宮は耳のツボで、ややこしいツボに胆経の聴会と三焦経の耳門があります。

小腸経の聴宮なので腸宮ですね。

耳の拡大図で確認してみましょう。

耳門、聴宮、聴会の三穴が、どこがどこだか分からなくなるので、

私の覚え方は、耳を二つ並べて、耳や聴っていう漢字が紛らわしくなるので、そのほかの漢字で区別します。

門は耳上のカーブを描いてるっぽくて、宮は真ん中っぽくて、会は耳下のラインに沿っている・・・

とりあえずこれで３つのツボの上中下関係の位置を覚えました。

手の太陽小腸経　流注

手の太陽小腸経は、手の少陰心経の脈気を受けて小指内側端に起こり、

手の内側、前腕後内側、尺骨神経溝、上腕後内側を上り、肩関節に出て、肩甲骨をめぐり、

肩上から大鎖骨上窩に入り、下って心をまとう。咽喉、食道を巡ったのち、横隔膜を貫いて胃に至り、

小腸に属する。

大鎖骨上窩で分かれた支脈は頸をめぐり、頬に上り、外眼角に至り、耳の中に入る。

頬から分かれた支脈は鼻をと覆って内眼角に至り、足の太陽膀胱経につながる。

国家試験問題にチャレンジ

以上、参考になれば幸いです！！

他の経脈の覚え方はこちら↓

解剖経穴についてはこちら↓

あわせて読みたい

【解剖経穴一覧】経穴を筋肉名、神経名、血管名から逆引き検索！「大殿筋上にある経穴は何がありますか？」と聞かれたときに、教科書など、アナログではなかなか検索しづらい。足三里の解剖学的構造は？と聞かれれば、教科書で足三里...