手の少陰心経9穴。
覚えやすい区切りに分け、
語源と漢字の意味を知り、
ゴロ合わせに頼る
と覚えやすくなります。教科書は文字ばっかりでイメージしづらいですよね。カラフルにまとめてみます。ぜひ参考にしてみてください!
手の少陰心経 覚え方
私の経穴の覚え方は、
覚えやすい区切りをつけ、区切りの中で語源などで経穴を覚えて、
何度も反復して流れを覚えてしまい、
印象が残りにく、忘れやすい位置、重要なところをゴロ合わせなどで補足するようにしています。
👇参照記事
場所を示しつつ紹介していきたいと思います。
極泉 青霊 少海
HT1 極泉 |
腋窩中央 腋窩動脈拍動部 |
胸部の極めて深い心蔵 泉=湧き出る気血 |
HT2 青霊 |
上腕二頭筋の 内側縁 肘窩横紋の 上方3寸 |
痛証の青色 霊=心が蔵す精神、 清らかな気 |
HT3 少海 |
上腕骨内側上顆 の前縁 肘窩横紋の高さ |
少陰心経 海=合水穴 ※心経の合水穴 |
上腕のツボ3穴です。
心経は9穴ですが、そのうち要穴じゃないのは極泉と青霊だけ。すごい少なく感じます。
極泉は「心から出る泉」を指すツボ名ですが、解剖学的に見てみると、
心臓から出た大動脈が極泉穴のある腋窩動脈へと続いています。
腕へと流れる血管の大元はこの腋窩動脈になるので、心臓と腕をつなぐ重要な位置にあることが分かります。
動脈は基本深いところにあって、拍動を感じられるところは数えるくらいのところですが、
拍動部は経穴になってるところがほとんど。極泉もその一つですね。
青霊は、上腕二頭筋の内側縁にあり、少海の3寸上にとります。
上腕二頭筋の外側縁を通るのは肺経で、腋窩横紋の下3寸が天府、下4寸が侠白でした。
青霊も腋窩横紋の極泉の下3寸と思いがち・・
でも少海の3寸上・・ややこしや~
ですが、泉よりも海のほうが青い、、青い!!
「青霊さん」とさん付けにして呼びかけるようにして3寸を覚えています。
少陰心経の少海は、表裏関係の、
小腸経の小海と間違えないように気を付けましょう!
「しょうかい」と口で言うとどっちか分からないので、
学校の先生はよく「ひげ付き少海」と言ったりします。
神様、髭があるイメージあります。。心=神というイメージで関連付けちゃいましょう。
そして、ひげつき少海は前腕の屈筋群が起始する、上腕骨内側上顆前縁にとるツボです。
対する小腸経のひげなし小海は、尺骨神経溝にとる、という解剖学的によく問われやすい違いがあります。
前腕の屈筋=陰側なので、少陰心経の少海があり、
小海は、圧迫すると小指までひびくファニーボーンな現象を起こすことから、尺骨神経が通ると覚えましょう!
霊道 通里 陰郄 神門
HT4 霊道 |
尺側手根屈筋腱 の橈側縁 手関節横紋 上方1寸5分 |
霊=心の蔵す精神 道=経路 ※心経の経金穴 |
HT5 通里 |
尺側手根屈筋腱 の橈側縁 手関節横紋 上方1寸 |
小腸経に通じる絡穴 里=場所 ※心の絡穴 |
HT6 陰郄 |
尺側手根屈筋腱 の橈側縁 手関節横紋 上方5分 |
陰経にある 郄=隙間 ※心の郄穴 |
HT7 神門 |
尺側手根屈筋腱 の橈側縁 手関節横紋上 |
神気の出入りする 門 ※心の原穴、 心経の兪土穴 |
いきなり手関節横紋付近まで飛びます。
5分刻みで4穴ありますね。すべて要穴です。
いずれも尺側手根屈筋腱の、橈側にとります。
3本浮き出る手の内側の腱の、
小指側にある腱が尺側手根屈筋腱で、
その真ん中寄り、親指側に4穴とるということですね。
こんな狭いところに4穴も集中させやがって・・って気持ちになります。。
- 神門が手関節横紋上
- 5分ずつ間隔開けて4穴とる
- 要穴
- 順番
は必ず押さえておきたいところ・・
要穴は漢字の意味から、どの要穴なのかは導き出せると思います。
また、順番は、
霊道→ツーリ(通里)ング
をとりあえず覚えて、原穴の神門が手関節だ~陰郄は余った所へ。。と思っています。
少府 少衝
HT8 少府 |
第5中手指関節の 近位端 第4・第5中手骨の間 |
少陰心経の 府=集まるところ ※心経の榮火穴 |
HT9 少衝 |
小指末節骨橈側、 爪甲角の 近位外方1分 |
少陰心経と小腸経が 衝突する井穴 ※心経の井木穴 |
手の最後2穴です。
霊道・通里・陰郄・神門が尺側手根屈筋腱の橈側だっただけに、
小指の親指側を目指してツボがあります。
心経と表裏関係の小腸経が、同じく小指からスタートするのですが、
小指のどっち側を流れるのかが混同しやすいです。
少府は拳を握ったときに小指の先端が当たるところ、ともされています。
握ってみるとたしかに掌の真ん中寄りに先端が当たりますよね。
「府」の方が広いところ、なイメージがあるので、少府が手掌側、少衝が指先側ですね。
掌を見つめながら心経ルートを確認しましょう!
9穴なので、基本順番はひたすら書いて唱えて般若心経かのごとく覚えました。。心経だけに。。
手の少陰心経 流注
手の少陰心経は、足の太陰脾経の脈気を受けて心中に起こり、
心系に属し、横隔膜を貫いて下り、小腸をまとう。
分かれた支脈は、上って咽喉をはさみ、目の内角につながる。
本経は心から肺を経て腋窩に出て、下って上腕前内側を経て、肘窩横紋の内側端を過ぎ、
前腕前内側、手関節前面横紋内側端に出て、手掌を経て小指外側端に至り、手の太陽小腸経につながる。
極泉、青霊でも触れましたが、
心経の流中と解剖学的な血管の走行が似ているな・・と個人的に感じています。
動脈の走行として解剖学で習うことと比較してみると、
心経 | 動脈 | |
1 | 心中に起こる | 心臓の左心室から大動脈弓で曲がって下降 |
2 | 横隔膜を貫いて下り、 小腸をまとう。 |
胸大動脈が横隔膜を貫き腹大動脈に |
3 | 分かれた支脈は、 上って咽喉をはさみ、 目の内角につながる |
大動脈弓から枝分かれした総頚動脈は首から顔・脳へ |
4 | 本経は心から肺を経て腋窩に出て | 大動脈弓から枝分かれした鎖骨動脈は腋窩動脈となる |
5 | 下って上腕前内側を経て、肘窩横紋の内側端を過ぎ、 | 腋窩動脈は上腕動脈として上腕内側を走る |
6 | 前腕前内側、手関節前面横紋内側端に出て、 手掌を経て小指外側端に至り、手の太陽小腸経につながる。 |
尺骨動脈から指先まで血管が走行している |
全く一緒・・とは言えないまでも、
「大動脈弓が枝分かれしてどこに行くか」の大まかな説明と心経の流中、なんとなく似ています。
血管を習ったら、改めて心経を見てみるといいかもしれません!
ちなみに、でんでん虫カタツムリ~のメロディで心経歌うといい感じに収まります。
国家試験問題にチャレンジ
(あ第10回-120)[経絡経穴概論]
尺骨動脈拍動部なんて知らない!と思っても、尺骨側の経穴を選べればOKです。この中では神門ですね。
以上、参考になれば幸いです!!
他の経脈の覚え方はこちら↓
解剖経穴についてはこちら↓
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