正経十二経脈の流注の簡単な覚え方!五臓六腑と三陰三陽でわかりやすく解説! 経絡経穴概論 試験対策

正経十二経脈の流注が、いったりきたり、ややこしすぎて覚えられない!!

鍼灸学生tmotsubo、覚えていることを組み合わせることで、

正経十二経脈の流注を導き出せる方法を編み出しました。

教科書は文字ばっかりでイメージしづらいですよね。にまとめてみます。

目次

これを書けるようになろう

経絡経穴概論で出てくる、正経十二経脈

その流注というのは、中焦に起こり、手の太陰肺経から始まって、

五臓六腑、そして手足の三陰(内側)と三陽(外側)を循環して戻ってくるという、下の図で示されるルートです。

正経十二経脈の流中。中焦から手の太陰肺経をスタートし、足の少陽胆経までを流れとします。
教科書だと正経十二経脈の流中は肺経からはじまる図ですね

①→②→・・⑫と番号順に流れていきます。

初見の私は、

法則性ないぞ??これを覚えるの??_:(´ཀ`」 ∠):

というので、泣きたい気持ちになりました。

しかし!!

覚え方は編み出すものです。

五臓六腑三陰三陽

がわかっていれば、この流れを書けるようになる!!というのを解説していきます。

基本1:五臓六腑

正経十二経脈は、東洋医学の基本、五臓六腑を通ります。

五臓+心包と六腑を馴染み深い木火土金水の順でならべました。
東洋医学の基本的な五臓+心包と六腑の順は肝心脾肺腎

「かんしんひはいじん♪+心包」

と何度も授業中に出てくるので、

この順で六腑ごと覚えちゃいますよね!

これから解説していくやり方では、この、

「かんしんひはいじん♪+心包」

の順番で導き出していけるように使います。

基本2:三陰三陽の強い・弱い

三陰三陽。とは。

:太、少、厥陰
明、太、少陽

のことです。

日の当たらない内側を

日の当たる外側をとして、

腕や足に流れる正経十二経脈の三陰三陽は、手足を輪切りにすると、以下の通り。

手足を流れる三陰三陽の関係を示した図。太陰・少陰・厥陰と陽明・少陽・太陽の位置関係を理解するためのイラスト
手足を輪切りしてみた三陰三陽の図

ワケワカラン

隣合う陰陽が表裏の関係なので覚えましょう

と先生が言っていても、

漢字の雰囲気的に、
太陰の隣が太陽、少陰の隣が少陽だったなら意味わかるのに!!
違うやん無理_:(´ཀ`」 ∠):

て感じでした。

でも、意味がわかれば!理解して覚えられます!

解説していきます。

三陰三陽には、強い、弱いがあります。

まず、「太>少」

なのは漢字の雰囲気で分かりますよね。

陽明厥陰が話をややこしくしていますが、それぞれどんな意味かというと、

陽明とは、「太陽+少陽」のことで、

陽がパワーマックスの極みのこと。太陽が最強ではなかった。

厥陰とは、陰が尽きるという意味で、陰のパワーが尽き、陽のパワーに近づいていると考えたらいいでしょうか。

太陰にも少陰にも陰パワーが及ばない最弱の陰、それが厥陰です。

つまり、パワーの強い弱いは下図の通り。

三陰の強弱は太陰、少陰、厥陰、
三陽の強弱は陽明、太陽、少陽の順で弱くなっていきます。
三陰三陽のパワーバランス

これを踏まえた上で、はじめの図。

陰陽隣り合っている表裏のパワーバランスが

太陰⇔陽明
少陰⇔太陽
厥陰⇔少陽

と隣り合ったところでプラスマイナスゼロになっています。

手足を流れる三陰三陽の関係を示した図。太陰・少陰・厥陰と陽明・少陽・太陽の位置関係を理解するためのイラスト
手足を輪切りしてみた三陰三陽の図

あとは、私の覚え方は、

陰の大きい内側かつ腹側が最強の陰、太陰

真ん中は最弱のセット

と当てはめていって、このグラフが完成します。

正経十二経脈の流注の覚え方

五臓六腑三陰三陽

を押さえたうえで、正経十二経脈の流注に移ります。

①五臓六腑を書き並べる

五臓+心包と六腑を馴染み深い木火土金水の順でならべました。
東洋医学の基本的な五臓+心包と六腑の順は肝心脾肺腎

かんしんひはいじん♪+心包

はそのまま使いますので、まずは図の通り、書き並べます。

②肺からスタート、一筆書きに流れる

先程の五臓六腑。

正経十二経脈の流注が始まるのは中焦で、まずへと流れるのでしたね。

肺スタートで、

五臓⇔六腑

内側から外側へ

一筆書き

というルールで順番をつけると、正経十二経脈の流注の順番になっているんです。

ちゃんとなっています!

次に三陰三陽、手足を加えていきます。

③三陰三陽と手足を加える

三陰三陽、手足を付け足していきます。

肝心脾肺腎の順で流中を表した図。内から外へ一筆書きで流れているのが分かる
肝心脾肺腎の順で流中を表した図

こちらの図に、スタートの肺から、内から外へ行くほど、パワーが弱くなっていくように三陰三陽を書き加え、

手足がややこしいですが、肺からSTAR(T=手)!!

と、脳内のTT兄弟が教えてくれるようなイメージで、後は順番、と勢いで覚えています。。

手足を付け加えていきましょう。

肝心脾肺腎の順で正経十二経脈の流中を表し、三陰三陽と手足を加えた図
手と足で対応する経絡を整理した図

内から外へ、強いパワーが流れていっているような、

しっかり法則性の見える図が完成しますね・・!!

経絡経穴を覚えてしまえば、手足は自然と覚えてしまうと思います!

そして、並べ替えていきます。

五臓と六腑は左右で分ける

番号を間違えない

というのに注意し、並び替えていきます。

正経十二経脈の流中。中焦から手の太陰肺経をスタートし、足の少陽胆経までを流れとします。

完成!!

強い→弱いの順に流れていたんだな、というのが分かりますね。

訳の分からなかった流注が、法則性があって覚えやすいということは、

これを基本に、経絡経穴も頭に入れやすくなる、素地が固まったということですね!!

流中の接続部

接続部が国試で問われることがあります。

正経十二経脈の流中の接続部を書き加えた図。
流中の接続部

一つ一つの経脈の始まりと終わりの経穴が分かれば、4択では困ることはないですが、

経穴を覚えていてもややこしいのは、

心中か胸中で接続か?

というところ。脾経→心経の接続が心中、腎経から心包経の接続が胸中なのですが、

いざ選択肢にあったら心中も胸中も一緒じゃないか、と思ってしまいそうです。

意味の違いはスルーして、下の図。

心経は心中、心包経は胸中を通るというのは漢字に注目すると覚えられる
心中か、胸中か

漢字で覚えてしまいましょう!!

その他接続部を覚えるための経穴の覚え方は以下のブログを参考にしてみてください。

国家試験に挑戦

ここまで押さえたうえで、国家試験に出た問題にチャレンジして見ましょう!

(はき第23回第93問)

Correct! Wrong!

正解は 「1.太陰経――陽明経」です。 太陰経⇔陽明経、 少陰経⇔太陽経、 厥陰経⇔少陽経、 と、パワーバランスがプラスマイナスゼロとなるもの同士が表裏関係になります。

(あ第25回-100)[経絡経穴概論]

Correct! Wrong!

正解は「1.心経」です。ブログで解説してきたような、一筆書きの流注で覚えておきましょう!

(はき第10回-114)[経絡経穴概論]

Correct! Wrong!

正解は「2.足の少陽胆経から手の少陽三焦経へ」です。誤っているものを選べとあるので、この選択肢は逆の流れですね。同じくブログで解説してきたような、一筆書きの流注で覚えておきましょう!

いかがでしょうか?

経脈の接合部や関連する神経・筋肉などを組み合わせた問題が実際の国試に出題されているので、

流れ以外にも、押さえないといけないポイントはまだまだあります・・

あくまでも私流の覚え方ではありますが、勉強に勤しむ読者さんのお役に立てれば幸いです!!

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コメント

コメント一覧 (6件)

  • はじめまして。鍼灸学生です。
    とても分かりやすい解説ありがとうございます!
    なかなか覚えられていなかった流注、スッと頭に入ってきました。
    ただ一つ、足の太陽膀胱経→足の少陰腎経の接続と、手の厥陰心包経→手の少陽三焦経の接続が逆になっていますね。訂正していただけると助かります。

    • とみゅさま
      コメントありがとうございます。流中覚えるのに役立ったようでよかったです。
      ご指摘ありがとうございます!恥ずかしながら全く気付かなかったので修正いたしました。
      大変失礼いたしました。

  • はじめまして。

    この春から鍼灸学科に入りまして、経絡の初回の講義で頭が早速???状態に(汗)

    まだまだ解説など理解できませんが、これから参考にさせて頂きます!

    • べあ様
      はじめまして、コメントありがとうございます。
      春から1年生!それは頭が混乱しますね。
      ぜひ参考にしてみてください。

      • こんばんは

        早いものでこちらにコメントさせて頂いてから3年近くになりますが、おかげさまで先日の国試無事に合格できました。

        勉強を始めたばかりの頃にこちらに出会えたおかげでスムーズに学習が進みました。

        感謝申し上げます。

        • べあさま
          なんと・・無事合格、おめでとうございます!
          初心に戻りたいときにはまたいつでもこのブログにもどってきてくださいね(笑)

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