足の太陰脾経21穴。
覚えやすい区切りに分け、
語源と漢字の意味を知り、
ゴロ合わせに頼る
と覚えやすくなります。教科書は文字ばっかりでイメージしづらいですよね。カラフルにまとめてみます。ぜひ参考にしてみてください!
目次
足の太陰脾経 覚え方
私の経穴の覚え方は、
覚えやすい区切りをつけ、区切りの中で語源などで経穴を覚えて、
何度も反復して流れを覚えてしまい、
印象が残りにく、忘れやすい位置、重要なところをゴロ合わせなどで補足するようにしています。
👇参照記事
場所を示しつつ紹介していきたいと思います。
隠白 大都 太白 公孫 商丘 5穴
SP1 隠白 |
足の第1指末節骨 爪甲角の 近位内方1分 |
壁に隠れる 赤白肉際、肺=白の母 ※脾経の井木穴 |
SP2 大都 |
第1中足指節関節 内側の遠位陥凹分 |
大きい第一趾 都みやこ ※脾経の榮火穴 |
SP3 太白 |
第1中足指節関節 内側の近位陥凹分 |
太=大きい第一趾 赤白肉際、肺=白の母 太白は夕方に太陽、月の次に明るく見える金星を指す意味も ※脾の原穴、脾経の兪土穴 |
SP4 公孫 |
第1中足骨底内側 遠位陥凹部 |
公=黄帝、中央 孫脈、絡穴 ※脾の絡穴、八脈交会穴 |
SP5 商丘 |
内果の前下方 舟状骨粗面と 内果尖の中央陥凹部 |
商=金穴 丘=内果 ※脾の経金穴 |
足の母趾からの5穴です。
井木穴の隠白が爪付近、
榮火穴の大都が水かきにあたる付近、
兪土穴の太白が関節の足首側。
大きい足の親指と、赤白肉際を表す名前であるので、親指の内側のツボ達です。
五行式体表では肺に相当する、白や商というのが使われるツボが脾経には多くありますが、
脾経なのに肺に関連する名前があるのが不思議ですね。
手では親指を走っていたのは肺経でした。関係あるんですかね・・?
あと、脾経の終盤のツボ、周栄は、肺経の中府の近くにあります。最初と最後が肺に近いと、相生関係以上のものを感じます。
隠白と太白が混乱する人は、
隠白(いんぱく)が井穴(井戸のい)でいち番目。
太白は肺経の太淵や腎経の太渓、肝経の太衝などと兄弟な原穴・兪土穴と覚えましょう。
公孫、商丘とともに、脾経の最初の5穴は足の骨を触って、
どの凸凹がどの骨か、が分かるのが大切なツボです。
なぞって触って覚えるしかない。。
ちなみに、公孫樹と書いてイチョウと読みます、銀杏です。
孫の代になってようやく実をつける木だから、ということらしいです。
イチョウと言えば、脾の黄色であり、水穀の精微を吸収するため働かせている胃腸であり。。
公孫が、足先~踵の中央部分に位置するのも、それっぽい。
脾の絡穴なんだっけ?て思ったときにヒントになるかもしれないですね。
さらには孫、という字、子編に「系」という字ですが、「系」は糸を伸ばしてつなぐというところから出来た字なので、絡穴感出てます。
商丘は、舟状骨と内果尖の間にとりますが、足の舟状骨が取穴に関わるのは、この商丘と腎経の然谷のみです。
然谷が舟状骨の下(足裏側)にあるのに対し、商丘は、舟状骨の上側にあります。
舟(状骨)の上に乗ってる商(丘)人
と覚えましょう!
三陰交 漏谷 地機 陰陵泉 4穴
SP6 三陰交 |
脛骨内縁の後際 内果尖の上方3寸 |
足の三陰経(脾・腎・肝) が交わる |
SP7 漏谷 |
脛骨内縁の後際 内果尖の上方6寸 ※三陰交の上方3寸 |
水が漏れる疾病 谷=脛骨後際 |
SP8 地機 |
脛骨内縁の後際 陰陵泉の下方3寸 |
地=土=脾 機能 ※脾経の郄穴 |
SP9 陰陵泉 |
脛骨内側顆下縁と 脛骨内縁が接する 陥凹部 |
陰側 陵=脛骨内側顆 泉のようなくぼみ ※脾経の合水穴 |
下腿内側の4穴です。
三陰交の覚え方は三陰交で3寸ですね。任脈の陰交というツボは(いち)陰交でへそ下1寸でした。
内果尖から3寸上にあり、女性には重要なツボです。
三陰交から3寸上がると漏谷があります。
内果尖から脛骨に力をかけるように触りながら、さらに脛骨内側顆下縁まで上がると、女性はかなり圧痛を感じると思います。
上がりきったところに陰陵泉があり、3寸下がると地機があります。
3寸だらけですね。
陰陵泉は関節部にあるので合穴。
似た名前のツボに「陽陵泉」というツボが陽経の胆経にありますが、それも合穴で、合わせて覚えやすいです。
地機は郄穴です。
大地の力と機械の力という壮大なパワーで撃退する郄穴!というイメージで覚えています。
陰陵泉がある脛骨内側顆下縁は膝蓋骨尖から2寸、膝蓋骨尖から内果尖までは15寸なので、
内果尖から数えたとすると、
陰陵泉は13寸、地機は10寸のところにあります。
どちらでも答えられるようにしましょう!!
血海 箕門 衝門 3穴
SP10 血海 |
内側広筋隆起部 膝蓋骨底内端の上方2寸 |
陰血の 海 |
SP11 箕門 |
衝門から3分の1 縫工筋と長内転筋の間 大腿動脈拍動部 |
足を前に投げ出した座り方 箕に似ている |
SP12 衝門 |
鼠径溝 大腿動脈拍動部の外方 |
衝=動脈拍動部 |
大腿内側の3穴です。
血海は外側胃経の梁丘(膝蓋骨底外端の上方2寸)に対する内側のツボです。
箕門と衝門はどちらも大腿動脈拍動部付近です。
めちゃくちゃ分かりづらいところにあります。
箕門、衝門、と門が続く2穴で覚えておけば、
胃経の気衝とややこしくならないはずです。
きわどいところにあるので、あんまり覚えても使わないのかな・・と思ってSNSで調べたら、
きわどくてピンク色な情報が結構ありました。
この衝門、腹部に入っていて、任脈の曲骨や胃経の気衝の横並びラインなので、
正中外方4寸では・・?と思いがちなのですが、
衝門はあくまでも「大腿動脈拍動部外方」。
府舎、腹結、大横の4寸ラインよりも内側にあり、拍動部の上ではないです。衝撃だわ。
正中外方4寸にないのはどれか、という問題で衝門が選択肢にあったら答えは衝門だし、
動脈拍動部上ではないのはどれか、という問題でも衝門が答えになります。
お手持ちの経穴図でも確認してみてください!
府舎 腹結 大横 腹哀 4穴
SP13 府舎 |
臍中央の下方4寸3分 正中外方4寸 |
府=大腸、小腸 舎=集まるところ |
SP14 腹結 |
臍中央の下方1寸3分 正中外方4寸 |
腹の気の 集結するところ |
SP15 大横 |
臍の外方4寸 | 大腸の 横行結腸。臍の横。 |
SP16 腹哀 |
臍中央の上方3寸 正中外方4寸 |
腹 哀しい音が鳴る |
腹部の4穴です。
お腹に関係する漢字が使われているツボが集まっています。
腹という漢字があるのはここだけです。
脾経では一番覚えにくいところです。飛び飛びすぎる。
私も大横しかうまく覚えられていない。。
府舎の舎は手を広げるイメージで、肺経の気舎でも登場した漢字です。
\( ‘ω’)/
府は集まる、舎はあつまったものが収容される広い家・・・と考えると、
資産家のおうち。。
府舎に資産(4.3寸)!
と覚えましょう。
その3寸上が腹結。
結婚して遺産(1.3寸)を狙う!
なツボです。
大横はへそから大幅に横のツボでした。
その3寸上が腹哀です。また3寸ですね・・
見上げて哀さんと呼ばせていただいています。。
大人気名探偵コナンの灰原哀さんをイメージでっす!!
福原愛さんでも良いかもですね。。ふくあいさん。
食竇 天渓 胸郷 周栄 大包 5穴
SP17 食竇 |
第5肋間 正中外方6寸 |
食道 竇=空洞 |
SP18 天渓 |
第4肋間 正中外方6寸 |
天=胸郭 渓=乳汁の分泌 |
SP19 胸郷 |
第3肋間 正中外方6寸 |
胸腔 郷=広い |
SP20 周栄 |
第2肋間 正中外方6寸 |
周=全身 栄=営気 脾から肺に送り、全身へ |
SP21 大包 |
第6肋間 中腋窩線上 |
諸経脈、諸絡穴を 大きく包括しまとめる ※脾の大絡の絡穴 |
ラスト、胸部の5穴です。
胸部に4穴あり、大包が少し特殊なところにありますね。
ちなみに、食、竇、胸、郷、周、栄はここだけに使われる漢字です。
食の天国で胸栄える
乳汁を意味する天渓が乳中と同じ第4肋間、でも覚えて位置を導き出しています。
最後の周栄の上には肺経のスタートの経穴、中府があるのも特徴的です。
中府の「中」は脾胃のある中焦を指すので、消化吸収した栄養を全身に運ぶぞ~!というイメージです。
大包は第6肋間の腋窩線上にあります。食竇の下の肋間で、肋間の数字は被らないですね。
足の太陰脾経 流注
足の太陰脾経は、足の陽明胃経の脈気を受けて足の第1指内側端に起こる。
表裏の境目に沿って内果の前を通り、脛骨の後ろに沿って下腿内側を上り、足の厥陰肝経と交わって前に出て大腿前内側を走る。
腹部では前正中線外方4寸を上りながら、任脈、胆経、肝経に交わった後、
脾に属し、胃をまとう。
さらに横隔膜を貫き、胸部では前正中線外方6寸を上り、外に曲がって大包に至る。
さらに、上に向かい中府を通り、食道をはさみ、舌根をにつらなり舌下に広がる。
上腹部より分かれた支脈は、横隔膜を貫き、心中で、手の少陰心経につながる。
足の太陰脾経 重要ポイント
脾経は腹側は外方4寸。胸側は外方6寸。を通りますが、、
私の覚え方ですが、「脾」という漢字に注目します。
4と6が隠れてますよね!!!!
胃経と脾経が腹と胸何寸通るのか
が混乱してたけど…
漢字をヒントにした覚え方発明できた\( ˆoˆ )/\( ˆoˆ )/\( ˆoˆ )/ pic.twitter.com/Rpu1YxUDx1— とも@鍼灸あまし学生ブロガー (@tmotsubo) March 13, 2020
胃経と合わせて覚えましょ!
国家試験問題にチャレンジ
(はき第3回-122)[経絡経穴概論]
大地の力を借りる地機が郄穴ですね。 遍歴は大腸経の絡穴、四瀆は三焦経のツボ、浮郄は漢字から郄穴っぽいですが、要穴ではありません。膀胱経の経穴です。
(はき第4回-115)[経絡経穴概論]
体重節痛を主るのは五兪穴の「兪穴」です。 この中では太白が兪穴ですね。 陰経では兪穴は原穴を兼ねています。
(あ第29回-95)[経絡経穴概論]
腹部で前正中線外方4寸を通るのは脾経ですね。 脾と表裏関係にあるのは胃経なので、足の陽明胃経を選びましょう!
(はき第24回-108)[経絡経穴概論]
外方2寸に衝門があるかと思ったら・・・!衝門は正中線外方4寸ではなく、大腿動脈の外方にとるので、正中線外方2寸の気衝の外方2寸ではないですね。 肝経で習う足五里の取穴が正解です。
以上、参考になれば幸いです!!
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