361個の経穴を、十四経脈ごとに習う授業が始まって・・
途中で出てくる、こんなワード。
「長強は督脈の絡穴です。」
「中極は膀胱の募穴です。」
「尺沢は肺経の合水穴です。」
なんだっけ!!
鍼灸学生tmotsubo、「穴」とついていれば、全部同じに見えていました。
なんとか頭を整理して、穴シリーズ、まとめてみましたので、ご紹介していきます。
教科書は文字ばっかりでイメージしづらいですよね。カラフルにまとめてみます。
鍼灸・東洋医学を学ぶ学生さんのお役に立てれば幸いです!
目次
「穴=ツボ」の分類
まずは、東洋医学で「穴」とつくものは、
日本語で言う、「ツボ」を意味します。
臓腑に不調があったりすると、
そのサインが経絡を通って伝わって、
皮膚上に凹みとして現れ、
これは 穴 だ!としたのが、ツボです。
ツボと呼べる全てを、東洋医学では、
「腧穴(しゅけつ)」
と総称します。
(ちなみに、腧穴(しゅけつ)という読み方を問う国家試験問題が出たことがあるので、読みも抑えておきましょう。)
にくづきへんに、治癒の「兪」の、穴なので、
身体に癒やしを与える穴
と考えられますね。
また、兪というのは木をくり抜いて作る船のことを表すので、カラダの穴という意味でもあります。
その、腧穴を分類すると、
経穴、奇穴、阿是穴があり、
なかでも、経穴には、更に色んな穴がありますが、イメージをつけてみてください。
つまり、
腧穴=経穴+奇穴+阿是穴=∞無限大
です。
阿是穴が底なしの∞なので、腧穴も∞となります。
そして、
経穴=要穴+禁灸穴+禁鍼穴+それ以外=361穴
ですね。
禁灸穴+禁鍼穴については、技術向上によって、タブーとされるツボが減ってきているそうで、
個数として数えなくてもいいかもしれない。そしてこのブログではどこか?なにか?という説明は省きます。
経穴の中でも、重要なツボ、要穴。が、11種類もあります。
五やら四やら八やら。ワケワカラン。
そして経穴の、
「それ以外」
ってなんやねん、というと、例えば、任脈24穴を例にとると、
経穴名 | よみ | 要 穴 | |
CV01 | 会陰 | えいん | |
CV02 | 曲骨 | きょっこつ | |
CV03 | 中極 | ちゅうきょく | 膀胱募穴 |
CV04 | 関元 | かんげん | 小腸募穴 |
CV05 | 石門 | せきもん | 三焦募穴 |
CV06 | 気海 | きかい | |
CV07 | 陰交 | いんこう | |
CV08 | 神闕 | しんけつ | |
CV09 | 水分 | すいぶん | |
CV10 | 下脘 | げかん | |
CV11 | 建里 | けんり | |
CV12 | 中脘 | ちゅうかん | 胃募穴・腑会 |
CV13 | 上脘 | じょうかん | |
CV14 | 巨闕 | こけつ | 心募穴 |
CV15 | 鳩尾 | きゅうび | |
CV16 | 中庭 | ちゅうてい | |
CV17 | 膻中 | だんちゅう | 心包募穴・気会 |
CV18 | 玉堂 | ぎょくどう | |
CV19 | 紫宮 | しきゅう | |
CV20 | 華蓋 | かがい | |
CV21 | 璇璣 | せんき | |
CV22 | 天突 | てんとつ | |
CV23 | 廉泉 | れんせん | |
CV24 | 承漿 | しょうしょう |
要穴の種類は一旦無視して眺めてみると、
中極・関元・石門・中脘・巨闕・膻中のように、
なにかの要穴となっている経穴もあれば、
要穴ではない経穴もあり、それは単に「要穴ではない、それ以外の経穴」となるのがわかりますね。
また、中脘のように、「胃募穴」「腑会」を兼ねたツボもあります。膻中も二役ですね。
こんなふうに、複数の役割・重要性を兼ねているツボも存在していれば、全くなんの要穴でもない経穴もあり、
経穴=要穴+禁灸穴+禁鍼穴+それ以外=361穴
となるわけです。
この要穴には何があるか、について、詳しく解説していきます。
要穴の分類
腧穴=経穴+奇穴+阿是穴
経穴=要穴+禁灸穴+禁鍼穴+それ以外=361穴
でした。
経穴は十四経脈上にあるツボで、臓腑につながっているので、治療や診断などに使われる361穴どれも大事なツボですが、
その中でも特にとりわけこれは!!重要!!というのが、要穴です。
11種類、解説していきます。
四総穴 4穴
「このエリアなら守備範囲よ!!」というスゴイツボが、4つあり、
それを四総穴といいます。
この四総穴は、他の要穴も兼ねていて、もはやツボの四天王です。
横にスワイプしたら場所を紹介する写真もあります。確認してみてください。
八会穴 8穴
臓 腑 気 血 筋 骨 髄 脈
のそれぞれの気が集まるところで、それぞれの病を治すツボとされます。
こちらも、スワイプして場所を確認してみてください。
八脈交会穴(八宗穴)8穴
奇経八脈のうち、督脈と任脈は経穴を持っていますが、
他の六脈(衝脈・帯脈・陰蹻脈・陽蹻脈・陰維脈・陽維脈)には固有の経穴がなく、
正経十二経脈の2つ以上の経脈にまたがって経穴を連ねて存在しています。
奇経八脈の主治穴が、八脈交会穴です。
↓の記事で詳しく覚え方を解説しています!
交会穴
経脈が2つ以上交わるところです。
一覧がこちら。
- (任脈)中極、関元、陰交、下脘、中脘、上脘、天突、廉泉、承漿
- (督脈)長強、陶道、大椎、瘂門、風府、脳戸、百会、神庭、水溝
- (肺経)中府
- (大腸経)臂臑、肩髃、巨骨、迎香
- (胃経)承泣、巨髎、地倉、下関、頭維、缺盆
- (脾経)三陰交、衝門、府舎、大横、腹哀
- (三焦経)三陽絡
wikiから引っ張ってきましたが、ほんとかな・・?
覚える必要があるかどうかは分かりませんが、交わる経脈が多く、重要とされる代表穴を紹介します。
大椎 督脈 六陽経
百会 督脈 膀胱経 肝経 胆経 三焦経
関元 任脈 足三陰経
三陰交 足三陰経
いわゆる要穴表に一覧には出てきませんが、他の要穴に引かず劣らず臨床で使うことが多い要穴です。
下合穴 6穴
六腑の病に効くツボで、全て下肢にあります。
胆の合 | 足の少陽胆経 | GB34 陽陵泉 |
小腸の合 | 足の陽明胃経 | ST39 下巨虚 |
胃の合 | 足の陽明胃経 | ST35 足三里 |
大腸の合 | 足の陽明胃経 | ST37 上巨虚 |
膀胱の合 | 足の太陽膀胱経 | BL40 委中 |
三焦の合 | 足の太陽膀胱経 | BL39 委陽 |
腑が陽なので、下合穴がある経絡も全て陽経上ですね。
また、胆・胃・膀胱は足を走る経脈があるので、そのまま対応する十二経脈上に下合穴があり、
合水穴を兼ねていますが、
小腸・大腸・三焦は手を走る経絡を持つ腑なので、自身の経脈上には下合穴はありません。
代わりに、水穀を胃で腐熟して大腸、小腸へと降ろしていく関係で
胃経に小腸、大腸の下合穴があり、
三焦が膀胱へ津液を集める、という関係から、
膀胱経に三焦の下合穴があるとされています。
この中で、胆の合、陽陵泉は八会穴の筋会でもありました。
そう、胆の表裏は肝。肝といえば、筋をつかさどる。。ちょっと繋がりますね。
また、胃の合、足三里は腹部の四総穴でもありました。
胃の調子を整えてお腹痛いのに効きそうです。
また、膀胱の合、委中は腰部と背部の四総穴でもありました。
要穴としての役割が色々あるとかなり守備範囲が広そうです。
五要穴 67穴
長くなるので別のブログで解説します。
五兪穴 60穴
こちらも長くなるので別のブログで解説します。
国家試験にチャレンジ
(はき第2回-116)[経絡経穴概論]
正解は「委中 ──── 腰背の病」です。四総穴は身体を4つのエリアに分け、それぞれを治療対象とする要穴です。顔面部が「合谷」、頭部と後頚部が「列欠」、腹部が「足三里」、腰部と背部が「委中」です。
(はき第2回-114)[経絡経穴概論]
誤っているのは「太淵 ─── 気会」で、太淵は脈会の八会穴、気会は膻中ですね。
(あ第23回-114)[東洋医学臨床論]
正解は「下巨虚」です。委中は膀胱の合、足三里は胃の合、陽陵泉は胆の合ですね。
以上、あくまでも私流の覚え方ではありますが、勉強に勤しむ読者さんのお役に立てれば幸いです!!
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