刺鍼の17手技を動きとゴロで簡単覚え方│はりきゅう理論

鍼灸学生tmotsuboです。

刺鍼の17手技

鍼灸の国家試験では頻出で、ややこしい手技があって覚えるのが大変です。

今回は17手技についてにまとめます。

鍼灸・あん摩マッサージ指圧師の国家試験に出題された問題で力試ししてみてください。

17手技

17手技の一覧がこちら。

覚え方を紹介して行きます。

私の独断と偏見で思う簡単な順から覚えていきましょう。

お馴染み

まずは、刺して抜くだけ、単刺術

そして刺して置いておく、置鍼術

お馴染みすぎて手技に数えられるんだ?!?!という手技なので

定期テストや国試では問われようがない・・ですね。

読んで字のごとく

読んで字のごとく。

鍼尖転移法刺鍼転向法

鍼尖転法は鍼尖を皮下にとどめて押手と刺手で移動させる方法です。

 

刺鍼転法は刺した鍼の方向が間違っていたとき、

一度鍼を引き上げ、抜ききらずに方向転換するやり方です。

 

旋撚術回旋術

旋撚術は左右交互に鍼を回転させる方法です。

明治鍼灸大学の動画に「送り込み刺法」と「旋撚刺法」の動画がありました。

鍼を切皮弾入した後、目的の深さまで刺入するときの手法ですね。

ちなみに「旋撚」とググると鍼の手技が出てくるので、鍼灸業界オリジナルの言葉と言っても良さそうです。

 

回旋術は一方向に鍼を回転させる方法で、抜くときは入れたときと反対方向に回すのですが、それでも筋が引っかかって抜鍼困難になりやすいです。

「回旋」は、

 くるくる回ること。くるりと回すこと。旋回。
 植物の茎が支柱などに巻きつきながら伸びていくこと。アサガオなどにみられ、右巻きと左巻きとがある。 上腕や腿 (もも) を、位置を変えず、長軸を中心として回転させること。内旋と外旋がある。

という意味があり、一方向に回す回旋術のニュアンスがありますね。

 

雀啄術振せん術

「雀啄」と調べるともれなく鍼灸関連ページしか出てきません。

わたしのPCは「じゃくたく」と打つと「雀」と出てくるのですが、

正しくはむ(ついばむ)ですね。

雀啄術は読んで字のごとく雀がツンツン啄むように鍼を上下させる方法です。

振顫(しんせん)術もその名の通り、鍼を振動させ震えさせる手技です。

雀啄も振せん術も鍼を刺して目的の深さに達したら、より刺激を与えたいときに使う手技ですね。

 

最後に、読んで字のごとく、乱鍼術

鍼の乱れ打ちとでもいえばいいのでしょうか、

色んな手法が乱れるなんでもござれな手技です。

ゴロで覚えよう

その他の手技は、ざっくりした特徴と、

語呂合わせで覚えていきましょう。

 

置く…間歇術

間歇(かんけつ)とは、一定の時間をおいて起こったりやんだりすることです。

間歇的に痛みが走る、といったように使います。

鍼の間歇術は、目的の深さに達したら、一旦半分抜いて置いておき、

また目的の深さに入れる、という手技です。

私は鍼が痛い人なのですが、深く刺すと痛いので、

一旦抜いてくれ~~!!と思うことが多々あります。(笑)

とはいえ目的の深さに到達させたいので、一旦半分抜いてしばらく置いて、鍼が身体の中にいるのに慣れてきたら、

同じ深さまで刺しても、半分抜いて休んだだけあって、最初に一気に入れられた時より痛くない、というのが、間歇術です。

 

間歇性跛行(かんけつせいはこう)は、

歩き続けると足が痛く・ダルくなり、立ち止まって休むと治る、

という症状を指しますが、休むと痛くない、というのがどちらも一緒ですね。

痛む時ける、というのが間歇です。

間歇術は間歇性跛行と合わせて覚えましょう!

 

呼吸…随鍼術

呼吸に合わせて、刺すときは、息をはくときに刺し、吸う時に止め、

抜くときは、息を吸う時に抜き、はくときに抜く手技です。

随の意味は

1.したがう。ついていく。ともにする。「随員」「随行」「随従」
2.思いのまま。言いなりになる。「随意」「随筆」

随の意味からすれば、

術といいつつ、

患者さんの息のペースに従う手技なので、随術と言った方がより正確な感じですね。。

とは言え、息を吸ってお腹が凹むと鍼は少なからず鍼がずずいと深く刺さっていくし、

息を吐いてお腹が膨らむと鍼は少なからず抜けそうな感じになるので、

鍼の動き=息の動きみたいなものかも・・ということで、

身体に刺さった鍼の動きに従うのが、随鍼術です。

 

上下…屋漏術

屋漏(おくろう)とは、

 家の西北の隅。家の最も奥まった所。
 人の目につきにくい所。
 屋根から雨が漏ること。

を意味します。鍼の手技で言えば、3の屋根から雨が漏ること、の意味でしょうか。

3回に分けて雀琢しながら深く入れていくだなんて、、想像するだけで痛い私です。

ちなみに今の教科書では目的の深さから3分の1、3分の2、3分の3という説明ですが、

皮毛の分、肌肉の分、筋骨の分、という深さに分けてやる、と書かれた資料もありました。脈診で見たような、東洋医学的な表現ですね。

 

屋漏術は刺激を色んな深さにおくろう!!という感じで刺激がぽたぽた送り込まれる雨漏りですね。

 

叩く…内調術、副刺激術(気迫法)、示指打法、管散術

叩く系がたくさんあってとてもこんがらがります。

その分出題頻度も高いので、しっかり覚えておきましょう。

内調術 刺した鍼
鍼柄を叩く
副刺激術
(気迫法)
刺した鍼
周囲の皮膚を叩く
示指打法 刺した鍼
再びかぶせた鍼管を叩く
散術 鍼を使わずに
だけを叩く

17手技のうち、上記の管散術だけ、鍼を使わない方法です。

鍼が初めての人に、鍼管だけをトントンして、「今刺しましたよ~」というと、

痛くないんですね~!と鍼の怖さや緊張が取れて、スムーズになるのだとか。

管散術の管を見たら鍼管だけのやつ!と分かるようにしておきましょう。

 

内調術、副刺激術、示指打法がややこしい。

内調術の内調(だいちょう)をぐぐると、内閣情報調査室、略して内調が出てきました。

もちろん内調術の内調は内閣とは関係ないですね~

内調術、個人的には灸頭鍼に似ているなあと思っています。

どちらも、鍼柄に叩く刺激もしくは熱を与えることで、

鍼体から鍼尖に伝わり、鍼尖から皮膚に作用しているようなやり方だなあと思っています。

鍼そのものの金属を伝った刺激や熱が皮膚に伝える、というイメージなのが、調術です。

振せん術にもちょっと似ていますが、叩くのが内調、振動させるのが振せん術です。

 

副刺激術は、鍼の痛い刺激の、

副ポジションにある刺激が、叩く刺激、という術です。

  • 主刺激・・刺す
  • 副刺激・・叩く

ということです。

抜鍼困難でも使いますね。

周辺の皮膚に叩く刺激を与えると緊張がゆるんで鍼が抜けやすくなるという手技です。

副社長の皮膚を気迫で叩く!!

ね~~、副社長を叩ける人って誰なんですかね・・という語呂で覚えています。

 

示指打法、ここだけなぜか「~法」という名前。

語呂がいいからなのかもしれませんが、術で統一してくれないとなんでか気になってしまいます。

「打」という感じが使われているとなると、

皮膚を打つのはなんか痛そうだしそもそも威力が足りない感じだし、

鍼柄を打つのもなんかユラユラ打てない感じだし、

再びかぶせた鍼管を打つ、というのが一番しっくりくる感じ、ないですか???

 

弾入…細指術

弾入だけを繰り返すのが細指術。

弾入だけとなると、片窓鍼管(っていうらしい)という鍼管でも使わない限り、

弾入して抜いて片手挿管して、弾入して切皮して片手挿管して、と指の運動になりそうですよね。

国家試験にチャレンジ

ほぼ毎年1問は出ています。

過去五年の国試に挑戦してみましょう!

(はき第29回-163)[はり理論]

Correct! Wrong!

選択肢で正解なのは、「一定深度に刺入後、鍼を動かし刺激を与える。」ですね。

(はき第28回-142)[はり理論]

Correct! Wrong!

鍼を回すのは、旋撚術と回旋術ですが、一方向に回すのは回旋術ですね。

(はき第27回-142)[はり理論]

Correct! Wrong!

随鍼術の説明そのままですね

(はき第26回-141)[はり理論]

Correct! Wrong!

間歇術の説明そのままです。

(はき第25回-142)[はり理論]

Correct! Wrong!

旋撚術そのままです

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