東洋医学概論、教科書だけではちょっと分かりにくくなってきている鍼灸学生tmotsuboです。
今回は五臓の病理について。
肝うつ気滞やら心陽虚やら、めちゃくちゃ複雑ですが、関係をなんとかスッキリまとめてみました。
教科書は文字ばっかりで彩り少ないですよね。カラフルにまとめてみます。
鍼灸・東洋医学を学ぶ学生さんのお役に立てれば幸いです!
五臓の病証 覚え方
①五臓と陰陽 生理
五臓と陰陽の生理をしっかり理解しておくことで、病理の理解に繋がります。
※なお、この気血津精は、説明のために私が陰陽を簡略化して割り当てた図です。私は調べてもよく分からなかったのですが、肝にも津精あるでしょ!?とかいろいろ突っ込みどころあったとしても、このブログではとりあえずスルーして見てください。
五臓の病証は生理作用の失調で起こることが多いので、
「五臓の生理が失調したらどうなるのか?」
という視点で病証を理解する必要があります。
まずは五臓の生理をイメージしましょう。
肝陽:余るくらい気が旺盛
肝陰:血を貯蔵。全身の血流量を調整し、不足しがち
心陽:全身の陽気の中心。温めている
心陰:全身に血を送り出し、入っては出る
脾陽:気の元となる水穀の精微を吸収し運ぶ
脾陰:水液を吸収し運ぶ。常に旺盛
※脾の生理作用の統血は、「血」とあるのでいかにも血って感じだけど、気の固摂作用で血が漏れ出ないようにする、気の作用。
肺陽:清気を取り込む
肺陰:津液に満たされて常に潤っている。乾燥などに弱く損傷しやすい
腎陽:原気。肺の吸気も補助する
肝陰:臓精で精をため込む。主水で津液を再利用するものと膀胱へ送り尿に変えるものと分ける
↑スマホを横にしてみると見やすいです!
また、別記事にて生理作用の流れをアニメーション化して解説していますので、確認してみてください。
②陰陽の病理と気血津精の病理を理解
五臓の病理のベースは、
気血津精の病理と陰陽の病理です。
こちらも別ブログで徹底解説してます。確認してみてください。
③表にする
このブログで解説するメインは下の表の五臓病証です。
なぜ肝気虚はないのか?などの説明も併せてできると最強なのです。詳しくは後述します。
④臓腑ならではの症状をおさえる
私は学校でもらったプリントを元に、単語帳を作って繰り返し特徴を覚えました。
色分けしたり、イメージを書いてみたり、
慣れるまでは、肝の病証ごと、心の病証ごと・・・という順番でペラペラ確認して。
慣れてきたら、ばらばらに並び替えて、何が出てきても分かるようにしました。
頑張ってこれでテスト対策したのですが、それでもまだよく分かってない部分もあります。
以下、補足として、図で流れをまとめてみます!!
五臓の病証 アニメ図解
五臓それぞれについて、アニメでまとめてみました。
肝
肝は気を動かす疏泄作用があり、気が旺盛で有余になりやすく、そのため、肝気虚はありません。
蔵血して全身の血流量を調節して必要な時は全身へ送るため、血は不足しがち、という性質があります。
ちなみに、図示してはいませんが、肝火上炎になると、陰液が損傷されてしまうため、肝陰虚を引き起こします。
・目、筋、爪の症状
心
心は陽気の中心で、血を推動しています。
気が不足してもダメ、血が不足してもダメ、という、弱っちゃ一番ヤバい臓ですね。
陰的な血を運ぶ原動力なので、弱ると血が滞り、瘀血を発生しやすいです。
心火亢盛は、陰液不足で心陽が亢進して起こるため、陰虚陽亢だと個人的には思うところもあるのですが、
教科書には心火亢盛は実熱だとあります。
心火亢盛は陰虚ではなく、実熱だと先生も言っていました。肝火上炎と同じですね。
・結脈(不整脈)
脾
脾は胃とセットで病証を見ていきます。
脾は水穀の精微を吸収し運ぶ役割があるので、脾気虚になると他の臓腑の気虚や血虚を引き起こしやすくなります。
また元々脾は水液が旺盛ですが、悪湿という性質があるので、脾の機能が低下すると湿盛になりやすいです。
胃の病証では胃熱に胃火上炎(実熱)と胃陰虚(虚熱)があることに注意です。
・大便溏薄
肺
風邪とともに熱邪や寒邪が肺を傷つけて犯(おか)す、風熱犯肺・風寒犯肺
肺は個人的に一番難しいです。。なぜ肺陽虚はなくて肺の津液不足はないのでしょうか・・?
まだ理解しきれていない部分があるので、適宜追記します。
腎
腎は精を蔵す役割、吸気の補助の役割がありますね。
・耳鳴り難聴健忘
・不妊、陽萎、無月経
以上、教科書にある五臓の病証でした!
見える化されるとちょっと分かりやすくなりますよね。
参考になれば幸いです!!!
心腎不交とか、肝脾不和などは別記事で解説しています。
コメントを残す