五兪穴(五行穴)とは？井･滎･兪･経･合の水の流れ・陰陽経で五行が異なることを徹底解説！経絡経穴概論　試験対策

鍼灸学生tmotsubo、穴シリーズの、五兪穴（五行穴）についてカラフルにまとめてみましたので、ご紹介していきます。

教科書は文字ばっかりでイメージしづらいですよね。

鍼灸・東洋医学を学ぶ学生さんのお役に立てれば幸いです！

五兪穴とは？　全部で６０穴

361個ある経穴のうち、治療・診断上特に重要とされている要穴。

そのうち、正経十二経脈上に存在し、

木 火 土 金 水

の五行の性質をもつ経穴が、

五兪穴。

↓要穴の全体像が見えない方は別記事で確認してみてください！

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その五兪穴。

井穴・滎穴・兪穴・経穴・合穴

を指し、十二経脈×５の６０個あります。

一覧がこちら。

これを覚える、と思うと、泣きそうです。。

この、「井・滎・兪・経・合（せい・えい・ゆ・けい・ごう）」

水の流れに例えられている、というのが語源だそうなのですが、、

中国語と日本語ってそんな違う？！ってくらい、

どれもこれも水のイメージがない漢字で、氵さんずい　ですらない。

意味がわかりませんよね。。

五兪穴の水の流れのイメージ

五兪穴は、気が経脈を流れる様子を水の流れに例え、

役割付けや主治はこれ、と定めています。

井・滎・兪・経・合

が水の流れに例えられる、ということがどういうことか。

	意味
井穴	脈気の出る所
滎穴	脈気の溜る所
兪穴	脈気の注ぐ所
経穴	脈気の行く所
合穴	脈気の入る所

上記は教科書に載っている内容です。

解説したつもりなのでしょうが、まだ、意味がわかりません。

そして、この水の流れは、

井⇒滎⇒兪⇒経⇒合

の順で順序よく流れている、ということですが、

出るがスタート、ということしかイメージがわきませんね・・

そこで、イメージを作ってみました。

	意味
井穴	脈気の出る所	湧き水。源。井戸。
滎穴	脈気の溜る所	源からのちょろちょろな流れ始め。
兪穴	脈気の注ぐ所	ちょろちょろ流れが注いで集まる湖。
経穴	脈気の行く所	湖から海へと行く経路。つまり川。
合穴	脈気の入る所	川から海へ合流する所。

山から水が湧き出て湖くらいに貯まって、川へ注ぎ、そして海へ・・

と流れていくイメージが出来上がってきました。

人体で言うと、指先から出た脈気は、肘や膝までは表面を流れ、合穴で深く入るのだとか・・

合穴が入る所、というのは、水のイメージよりも人体で考えると分かりやすい気がします。

では、五兪穴の主治を、五兪穴別のツボの位置とともに見ていきましょう。

五兪穴の主治と位置

五兪穴には、主治があります。

	意味	主治
井穴	経脈の出る所	心下満	肝経
滎穴	経脈の溜る所	身熱	心経
兪穴	経脈の注ぐ所	体重節痛	脾経
経穴	経脈の行く所	喘咳寒熱	肺経
合穴	経脈の入る所	逆気而泄	腎経

これもちょっとややこしいですが、

それぞれ、肝心脾肺腎の病症　に対応しています。

井穴＠指先　心下満

井穴は手足の指先に集中しているツボです。

腎経の湧泉だけ、足裏ですが、ほかは全て爪の近くにありますね。

井穴の主治は、

心下満（しんかまん）。

心窩部（みぞおちあたり）に生じた、膨張感や緊張のことです。

肝の疏泄作用が障害され、気が滞ると、みぞおちのあたりがなんだか張ってくる・・

それが心下満です。

「心」とついているので、「心」の異常のように思えますが、

「心下にある肝」の異常であることに注意しましょう。

ちなみに、井穴には少という漢字のツボが2つありますが、小に動作が加わった漢字で、「少なくなる」ことを表しているそうで、井穴は経脈が湧き始めの脈気が少なくなっているところなのかな？！というのが想像されます。

滎穴＠水かき周辺　身熱

滎穴は手足の水かきの近くにあるツボです。

滎穴の主治は、

身熱。その名の通り、全身の発熱。

火の性質をもつ心が熱をさらに持って、全身を熱くしてしまう病症です。

その身熱をとるのが、脈気の溜る滎穴です。

兪穴　体重節痛

兪穴は手背では、握りこぶしを作る指の関節の手首側、

手のひら側では、手関節横紋ちかく、

足の甲では関節付近などにあるツボです。

「兪穴だったらこの位置！」という法則性がなくなってきてます。

兪穴の主治は、

体重節痛

湿邪に侵され、カラダがむくんで重だるい様子。関節も痛いです。

脾は湿を嫌い、昇清作用で肺に湿を送りますが、それが滞ると、湿まみれ。

また、食べ過ぎ飲み過ぎでも溜まってしまい、重だるくなります。

それで起こる体重節痛を主治とするのが、脈気の注ぐ兪穴です。

経穴　喘咳寒熱

経穴は手首・足首や、

前腕・下腿にあるツボです。

経穴の主治は、

喘咳寒熱

咳を伴う風邪のこと。

言わずもがな、肺の病症ですね。

喘咳寒熱を治すのが、脈気の行く経穴です。

合穴＠肘膝　逆気而泄

合穴は膝関節や肘関節周辺にあるツボです。

合穴の主治は、

逆気而泄

上にのぼせて、下からも排泄、下痢のことです。

腎っぽいですが、いかがでしょう。。

逆気而泄を治すのが、脈気の入る合穴です。

五兪穴の五行穴

井⇒滎⇒兪⇒経⇒合

の五兪穴は、末端から求心性に経脈が流れていくという、

順番を表していました。

そこに、五行の性質が組み合わさり、五兪穴は完全体になります。

木穴、火穴、土穴、金穴、水穴

です。表に現します。

	意味	主治	陰経	陽経
井穴	経脈の出る所	心下満	木	金
滎穴	経脈の溜る所	身熱	火	水
兪穴	経脈の注ぐ所	体重節痛	土	木
経穴	経脈の行く所	喘咳寒熱	金	火
合穴	経脈の入る所	逆気而泄	水	土

陰経の井木穴、陽経の井金穴・・というのが五兪穴の真の姿。完全体です。

陰経の木火土金水はわかりやすいですね。陽経もズレてはいますが木火土金水になっています。

井穴は出る所。つまり井戸。井戸は木や金＝石で出来ています。

また、滎穴の滎という漢字には火と水がいますね。

陽経が混乱したら上記を思い出せば木火土金水を当てはめるのは混乱しないはずです。

ちなみに私は経脈ごとに経穴を覚えるうえで、指先から近い順に井→滎→・・と当てはめて、

陽経だったら井金穴だな～とか、陰経だったら経金穴だなーという風に覚えていて、

経脈を順番通りキチンと覚えていれば、それがどの五兪穴で、どの五行穴か分かる、というように覚えています。

ここで。気になるポイント。みんな思うよね。

陰経と陽経で五行の性質が違う。

どうして、陰経と陽経で木火土金水の五行の性質が違うのでしょうか？

陽経と陰経で五行の性質が異なるのはなぜ？

五行の性質の基本といえば、相生と相克。

相生は、水の流れは海で終わらず天となって山に帰ってまた始まると考えれば、説明できるとして、、

相克。

陽＝腑が、陰＝臓を克するような関係に、なっています・・！！！

主治として挙がっていた、病症。

全て肝・心・脾・肺・腎の、五臓　に関係していました。

六腑ではなかったですね。

そして、心下満は肝の気滞、身熱は心の実、体重節痛は脾が食べ過ぎで苦しんでいる・・

実か虚でいうと、

五臓の実の病症です。

それを剋するような、関係なのかなあ・・・と・・。

まだ、ここについては、鍼灸師になっても真意が分からない。。

説明に不足がある所もありますが、五兪穴五行穴、しっかり理解しましょう！

国家試験にチャレンジ

あくまでも私流の覚え方ではありますが、勉強に勤しむ読者さんのお役に立てれば幸いです！！