鍼灸学生tmotsubo、複雑で覚えづらい、
原穴・郄穴・絡穴・兪穴・募穴の五要穴についてカラフルにまとめてみました。
教科書は文字ばっかりでイメージしづらいですよね。
鍼灸・東洋医学を学ぶ学生さんのお役に立てれば幸いです!
五要穴とは?全部で67穴
まず最初に、五要穴とは。
361個ある経穴のうち、要穴として治療・診断上特に重要とされているツボのことをいいます。
五要穴とは、要穴の中でも特に重要な五種の要穴で、通称が五要穴ですね。
全体像が見えない方は別記事で確認してみてください!
その五要穴。
原穴・郄穴・絡穴・兪穴・募穴
を指し、全部でなんと67穴あります。
一欄がこちら。
教科書から引用しました。
鍼灸学生だったら、いずれ、これを全て覚える・・
と思うと、泣きそうです。
覚えるにしても、それぞれナンなのか、を知らねば覚えづらいので、説明していきます。
解説しやすい順に、兪穴→募穴→原穴→郄穴→絡穴と書いていきます。
兪穴 12穴 六臓六腑に各1穴@背側
臓腑それぞれの、臓腑の気が注ぐところを
兪穴(背部兪穴)
といいます。
すべて背腰部の太陽膀胱経上、左右にあり、
経穴名も各六臓六腑の名前がついている上、それぞれの臓器に近い。
まさに「臓腑の気が注ぐところ」のとおり。場所を見てみましょう。
※便宜上、「兪穴」だけ を図中にお示ししています。
また、左右にそれぞれ兪穴はありますが、左右で臓器に近い方を図に使っています。
私の兪穴のイメージは、お日様のあたる、「陽」の背中に、気が注ぎ込む、渦巻き。
渦の中心が兪穴で、邪気やら外界の気やら、経脈の気やら。
この兪穴から色々な気が注ぎ込んで、体内に入っていく、、というイメージです。
病邪が臓腑を侵したら、その対応する兪穴に異常な反応が診られる・・とされており、
まさに、臓器の不調があると、サインとして現れるのでしょう。
そして、この兪穴と、 陰陽表裏 の関係があるのが、次の 募穴 です。
募穴 12穴 六臓六腑に各1穴@腹側
臓腑それぞれの、臓腑の気が多く集まるところを
募穴
といいます。募集の募ですね。
「陰」の腹側にあり、各六臓六腑にあります。
が。
大腸の募穴が大腸経にあるかというと、そうではなく、胃経上に存在したり。
任脈上にある募穴が6穴、なんと半分もあったり。その位置はシンプルではないです。。
腹側かどうか、際どいものもありますが、
背側の兪穴に対し、腹側にあるのが、募穴。
兪穴も募穴も臓腑の近くにある、というイメージを、まずは理解しましょう。
私の募穴のイメージは、「陰」の腹側で、気を貯め込む、
バケツ。(ぼけつなだけに・・)
バケツの底が募穴で、お腹の皮膚面がバケツの縁のイメージです。
この兪穴から色々な気が注ぎ込んで、体内に入っていく・・というイメージです。
募穴と兪穴は内臓の不調を診断し、整えることに使うので、治療でよく使われるツボとされています。
ちなみに、募穴と兪穴はそれぞれその所属する臓に近いところにありますが、、
伊藤樹史先生の「新デルマトームの基礎と応用」を参考に皮膚より筋肉を透かしデルマトームを作成してみました。「新デルマトーム」は脊髄神経後枝の分布域が前枝より低い位置となること報告しています。兪穴・募穴のデルマトームと臓器からの内臓求心性神経レベルが一致しますhttps://t.co/qT6t0VByNR pic.twitter.com/qWz4YP03UM
— 【解剖学】合格応援マン (@goukakuouenman) November 21, 2019
デルマトームと関連付けて説明が出来るという説もあって、東洋医学と西洋医学が組み合わさってるとロマンを感じます。
原穴 12穴 正経十二経脈 各1穴@手首足首
先天の気:原気が集まるので、
原穴。
原気は、三焦を通って、全身に流れていますが、
原気が留まったり、出入りしたりするのが、原穴とされています。
各臓腑に属し、表裏関係にある臓腑に絡している正経十二経脈。
その12経脈ごとに、各1穴ずつあり、
全て手首足首にあるのが原穴です。
私の原穴のイメージは、手首足首にあると聞いて、そう、
手から「気」を放出する技で敵を倒し、足からの「気」で空中を飛ぶ、孫悟空はじめドラゴンボールキャラ達。。
元気玉、という技もあるので、原穴原気 っぽさが増すのもドラゴンボールっぽい!
押して痛いかどうかでその臓腑の原気の状態も反映する、というスゴイツボ。
六臓六腑の疾病に用いられ、
陰経は五兪穴の兪土穴を兼ね、陽経では五兪穴の兪木穴の次に配置しています。
ちなみに、兪土穴でもある陰経の原穴は
太淵、太白、神門、太渓、大陵、太衝
と太もしくは大というビッグな感じの似た漢字が使われていますが、
太は泰の略字として出来た漢字で、たっぷりの水を両手ですくうところから生まれた漢字だそうです。
泰平・太平、確かにどっちも見る気がする・・!同じ意味ですね。
太のついた経穴は、動脈拍動部が多いのですが、
川の流れる水源に例えられて、気穴の原穴でもある、ということを暗に示しているのかもしれません・・!
ちなみに、361経穴中、太が使われているのは、あとお腹にある太乙だけなので、太とでたらほぼ原穴と思っていいはずです!
郄穴 16穴 正経十二経脈上+奇経の四脈上
郄穴。
私は 撃退(げきたい)穴 と呼んでいます。
郄は隙間の意味で、骨と筋肉の隙間のこと。
急性症状の反応点として、
さっと撃退してくれるのが、郄穴です。
奇経八脈は固有の経穴を持たないので、
正経十二経脈上にある経穴が、奇経の郄穴としての役割を持っています。
絡穴 15穴
絡穴。
私は 連絡(れんらく)穴 と呼んでいます。
絡む、という意味のとおり、他の経脈と連絡のために分枝している、とされていて、
経脈が大抵まっすぐ流れているのに、
この絡穴は飛び出しているところにあったり、
経穴名の語源が連絡、反れる、などの意味を持つツボが多いです。
そして、なんとなく、ら行がツボ名に入っているツボも多い気がする。
慢性症状の治療点として、
他の経脈に連絡したり影響を及ぼしたりするほどになった症状を治すツボです。
14経脈に一つずつ+脾の大絡に1つあります。
以上、何を伝えたいかというと、イメージが大事。
経脈ごとにつないである図ばかりで、要穴ごとにまとめているものがないので、イメージがつきやすいかなと、まとめてみました。
あくまでも私流の覚え方ではありますが、勉強に勤しむ読者さんのお役に立てれば幸いです!!
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