鍼灸学生のともつぼです。
蓄便排便と蓄尿排尿の神経支配。
骨盤神経とか、陰部神経とか、下腹神経とか、
副交感神経とか交感神経とか体性神経とか。
収縮する筋がなんなのか、弛緩するのかどうなんか、混乱します。
覚え方をカラフルにまとめて解説します!
蓄便排便と蓄尿排尿
筋肉
まずは、尿と便に関わってくる筋肉の図。
膀胱や直腸が平滑筋で構成されているのは言わずもがなで。
重要になってくるのは括約筋。
尿や便が漏れ出ない様に、蓋の役割をする筋肉です。
表にすると、
尿 | 便 | |
平滑筋 | 膀胱括約筋 =内尿道括約筋 |
内肛門括約筋 |
横紋筋 | 尿道括約筋 =外尿道括約筋 |
外肛門括約筋 |
内と外の二重ロックで漏れ出ない様にしているわけですね。
尿や便がたまってきたときに、意志と関係なく収縮するのが、
不随意筋で平滑筋の、内側にある括約筋。
閉めろと言っても聞かないので信用ならない蓋ですね。
自分の意志で動かすことができ、トイレに行けない時に収縮して頑張ってくれるのが、
随意筋である横紋筋の、外側にある括約筋です。
これは意志でなんとか漏れるのを阻止できるので、信頼できる蓋です。
この、外側にある筋がもし平滑筋だったら世の中垂れ流しだらけになっちゃいますよね。
我慢したいという時に、自分の意志でしっかりふたをする、
外側にある括約筋が横紋筋であることで、漏れないよう自分でコントロールできていることを理解しておきましょう。
神経
次に、便と尿に関わってくる、神経。
ここで押さえておくべきことを表にしてみます。
交感神経 | 腰髄 | 下腹神経 (Th11〜L2) |
副交感神経 | 仙髄 | 骨盤内臓神経 (S2~S4) |
体性神経 | 仙髄 | 陰部神経 (S2~S4) |
選択肢でこれらから選ばせる問題があった場合、
下腹神経と言われたら・・交感神経だ!
骨盤内臓神経と言えば・・副交感神経だ!
陰部神経と言われたら・・体性神経だ!
と分かるようになるために、解説していきます。
体性神経の陰部神経は、
仙骨神経叢の最も下から出ていて、
いわゆる骨盤底筋群と呼ばれる筋肉を支配する神経で、
陰部神経叢と呼ぶこともあるのだとか。
↓陰部神経の確認はこちら。
仙骨神経叢の神経である、ということも合わせて覚えておけば、
陰部神経=体性神経は導き出せそうです。
交感神経の下腹神経と、副交感神経の骨盤内臓神経。
交感神経は、胸腰系 T1〜L2
副交感神経は、頭仙系 III, VII, IX, X, S2〜S4
というのがヒントになります。
交感神経は胸腰髄から出ていて、
副交感神経は脳神経と仙髄から出ている、
とはっきり分かれています。
ちなみに、頭や顔を施術すると眠くなってくるのは、
頭仙系の副交感神経が刺激されて、リラックスモードに入るから、という効果もあるのだとか。
反対に、脊柱付近に鍼などをすると交感神経が刺激され、
高血圧の人の交感神経の興奮を下げる、という治療法があったりもします。
つもるところ、骨盤内臓神経、と出てきたら、
骨盤=寛骨+仙骨+尾骨
なので、頭仙系の、副交感神経だ!と分かるようにしておきましょう。
そして、下腹神経。
解剖の教科書でははっきり名称が出てこず(たぶん)、生理学で突然出てきます。
内臓は交感神経と副交感神経が拮抗しバランスをとりながら支配していますが、
副交感神経が迷走神経が内臓まで走っているのにプラスで、仙髄からの骨盤内臓神経も加わって支配して、
頭や仙骨などやや遠くから支配しているのに対し、
交感神経では、胸腰髄と近いところから伸びています。
交感神経はほぼ腹!と覚えてもよさげなので、下腹神経ときたら、交感神経!と出てくるように理解しておきましょう!
アニメで解説!
用語が確認出来たら。
蓄便&蓄尿、排便&排尿の流れを理解しましょう!
蓄便&蓄尿
排便&排尿
以上、参考になれば幸いです!
国家試験問題にチャレンジ
(あ第26回-31)[生理学]
蓄尿時に興奮が抑制されるのは、膀胱平滑筋です。 蓄尿中は弛緩して尿をたくさん貯めるので、興奮は抑制され、伸びます。 脳から指令が来た陰部神経の遠心路が興奮し、尿道括約筋が尿が漏れ出ないよう収縮興奮。骨盤神経求心路は、膀胱に尿が溜まってきたことを仙髄中枢に伝えるため興奮。
(あ第23回-30)[生理学]
排便反射の求心路は、副交感神経である骨盤神経です。
(はき第27回-36)[生理学]
排尿時は陰部神経が低下して、外尿道括約筋が弛緩し、尿が出ますね。
(あ第20回-24)[解剖学]
答えは体性神経である陰部神経支配の外肛門括約筋。 括約筋のなかで横紋筋が何かという問題ですね。
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