神経線維と感覚受容器。
理解するのにめちゃくちゃ苦戦させられた、鍼灸学生ともつぼです。
解剖学でも、生理学でも、あまし理論でも、はりきゅう理論でも、色んな科目で出てきます。
教科書の文章だけでは分かりづらいですよね。
覚え方を私なりにカラフルにまとめてみます。
鍼灸学生以外にも学生さんのお役に立てれば幸いです!
目次
神経線維と感覚受容器
今回解説していくのはこれ。
図にするとこんな感じ。
色分け、図解するとちょっとすっきりしますね。
この中で最低限覚えるべきものをゴロで紹介します!
伝導路のキホンがよく分からないという方は↓の記事を見てから読み進めていってください!
伝導路と感覚
感覚性の伝導路が何を伝えるかは下記の通り。
・外側脊髄視床路・・温覚、冷覚、痛覚
・長後索路・・精細な触圧覚、位置覚、振動覚
・前脊髄視床路・・粗大な触圧覚
これらは、完璧に覚えたいところ。
ゴロ合わせで覚えていきましょう!!
外側脊髄視床路
ゴロがこちら。
外側脊髄視床路が伝えるのは温覚、冷覚、痛覚。
鍼は刺されると痛いから痛覚、お灸は温かくしてくれるから温覚で、冷覚もセットで温度をつかさどる・・という語呂です。
外で鍼灸とかきっと気持ちいいですよね~!!
長後索路
ゴロがこちら。
長後索路が伝えるのは、精細な触圧覚、位置覚、振動覚です。
ゴロのいちごとしんごは人名を私は想像しているのですが、
各々身近な人なり、有名人で思い浮かんだ人なり、実は色々細かそうな人を当てはめてください。
(ちなみにいちごとしんごの精細胞、というのも考えました。こっちのほうがインパクトあるかも・・?)
精「細」という文字と、長「後」「索」路という文字に、それぞれ「糸」という漢字が入っているのも関連付けて覚えるポイントなので、他の伝導路では使われないので見分けがつきやすいです。
前脊髄視床路
ゴロはこちら。
前(腹側)脊髄視床路が伝えるのは、粗大な触圧覚です。
お腹に余分なお肉がついてる人のそのお肉はまるで粗大ゴミ・・!みたいな語呂です。。
精細な触圧覚と粗大な触圧覚とは?
長後索路が伝えるのは、精細な触圧覚。
前脊髄視床路が伝えるのは、粗大な触圧覚。
さも当然かのように教科書に書いてあって、精細⇔粗大の違いが書いてなかったりして、ハテナですよね。
調べたところ、
精細な触圧覚というのは、触れている部位がどこか、そしてその触れている物の形状などが鮮明に分かる触圧覚のことを指すとのこと。
掌や唇など毛が無い部分の受容器が感じ取ります。
ペンフィールドのホムンクルスでも手と唇の感覚領域は広く表されていますが、精細な触圧覚をまさに感じ取る部分であることが分かります。
ペンフィールドのホムンクルス
脳の中にある体をつかさどる部分の比率を人形にしたもの
手、顔(特に口)が異様に大きい
つまり、
脳の対応領域は手や口が占める
割合が大きい手を使って何かを書く
口を使って何かを話す脳の活性化や記憶の定着には
これらが有効🤔 pic.twitter.com/riztPQafuk— ドラロン♨️ととのい福祉職 (@Ronn0829Maltese) February 23, 2020
粗大な触圧覚とは、何が当たっているかは明確に分からないけど、何かが触れたり、当たっているのは分かるという感覚とのこと。
体表の毛のある部分の受容器が感じとっています。
あんまり精細と粗大の違いを問われることはないかと思いますが、理解しておくといいかもしれません!!
神経線維
神経線維で問われやすいのが、ズバリ、こちら。
Ⅱ群線維=Aβ線維・・触圧覚
Ⅲ群線維=Aδ繊維・・冷覚、一次痛覚
Ⅳ群線維=C線維・・温覚、二次痛覚
問われやすいポイントなので最低限覚えたいところ。
ゴロ合わせを紹介していきます!!
Ⅱ群線維=Aβ線維
ゴロは、
です。
Ⅱ群線維=Aβ線維が伝えるのは、触圧覚と振動覚です。
伝導路は精細と粗大で異なっていましたが、神経線維は同じです。
あまし理論で出やすいのではりきゅうだけの人は必要ないかもしれません!
Ⅲ群線維=Aδ繊維
Ⅲ群線維=Aδ繊維が伝えるのは、冷覚、一次痛覚(感覚受容器は高閾値機械受容器)です。
さんとデルタで思い浮かんだのが、マイケルサンデル。
サンデル先生が冷酷かどうかは知りませんが、冷覚に絡めたかったので・・
トロッコ問題など、0か100か、を決めなければいけないような究極で残酷な選択を投げかけた思考実験が一時すごく話題でした。
高閾値機械受容器の「高閾値」とは、強い刺激だけに反応する0か100か、ということを意味し、
「機械」というのは、物理的に力がかかって刺激される事を意味するそうで、
高閾値機械受容器とは、傷ができるほど強い刺激に対してだけ反応する受容体、ということです。
一次痛覚というのが、いわゆる「痛い!!!」って声をあげたくなるような痛みで、反応が速い痛みのことなので、受容器も強い刺激に対してのものですね。
Ⅳ群線維=C線維
Ⅳ群線維=C線維が伝えるのは、温覚、二次痛覚(受容器はポリモーダル受容器)です。
4℃は、ご存じ、ジュエリーブランドです。Ⅳ群とC線維、温度の感覚を伝える、というのが、このブランド名だけで覚えられます。
そして、その4℃のピアスをすると、ピアスホールに鈍痛が!!
ポリモーダル、ポリモーデル、ホールモーデル!!というのがこの語呂です。。
ポリモーダル受容器とは、機械的、化学的、熱刺激など、多(poly)様式(mode)の刺激に反応する受容器で、
進化してない生物のメインの受容器はこれ、と言われていて、伝導速度も遅いです。
ポリモーダル受容器が、いわゆる鍼の響き感覚のような、ずーんと鈍くてあとからじわじわとくる痛みを伝えることも覚えておきましょう!!
以上、参考にしてみてください!
国家試験問題にチャレンジ
(はき第25回-148)[はり理論]
おもだるい響き感覚は二次痛覚を指していて、遅い痛覚です。なので、正解は、C線維です。 Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳどれか、という問題も既出で、その場合は正解はⅣ群線維ですね。
(あ第19回-148)[あん摩マッサージ指圧理論]
触圧覚の伝達に関与するものを問いています。 触圧覚の伝導路は外側脊髄視床路ではなく後索路、視床下部ではなく視床、Aδ線維ではなくAβ線維ですね。 答えはマイスネル小体です。
(はき第27回-156)[きゅう理論]
温覚と痛覚を伝導するのは、C線維ですね。
(あ第24回-147)[あん摩マッサージ指圧理論]
軽擦の刺激は触圧覚なので、後索路が関与します。
(は第21回-148)[はり理論]
管散術は鍼を使わず、鍼管を叩くだけのやり方ですね。 痛みはなく、触圧覚なので、答えはベタベタ触るAβです。
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