はりきゅう理論を勉強し始めたともつぼです。
艾を使わないお灸として、「紅灸」「うるし灸」が出てきました。
艾を使わずに、火も使わないのか・・いやこれ一体なんや・・と疑問がたくさん。
漆は塗るとかぶれそうなので、あえて炎症を起こすのかなというのが想像できるのですが、
紅灸とはなんだろう?と思ったので調べてみました!
紅灸とは
紅灸とは。
はりきゅう理論の教科書の記載によれば、無痕灸のなかの「モグサを使用しない灸法」で、
モグサを使用しないで各種薬物を治療穴に塗布して、主に薬物のみの刺激を皮膚に加えることを目的とするもの。
とあり、モグサを使用しない灸法として紅灸とうるし灸が挙げられています。
紅灸の「紅」についてググって色々調べてみたところ、
Wikipediaの「ベニバナ」に興味深い記載があったので引用します。
~生薬~
乾燥させた花は紅花(こうか)と呼ばれ、血行促進作用がある生薬として日本薬局方に収録されている。
この生薬は、養命酒などにも含まれる。
また、紅花から作った生薬をツボなどの部位に塗る紅灸(べにきゅう)という灸の一種もある。
葛根紅花湯、滋血潤腸湯、通導散などの漢方方剤に使われる。
引用元:Wikipedia
紅灸の紅は紅花から作った生薬を指すということですね。
ベニバナと言えば、紅花油とか、染め物とか、口紅のイメージ。
薬膳に詳しい人は紅花茶を知っているかもしれないです。
養命酒のHPも見てみたところ、
養命酒に含まれる14種類の生薬の一つに、紅花(コウカ)が。
コウカには血行・血流をよくするだけでなく、血管の中で停滞して動かない部分を取り除く働きがあります。
婦人用薬として、活血・通経・駆お血(血行障害の治療)・止痛の効果を期待して、月経痛・月経異常・冷え症(冷え性)・更年期障害・打撲傷などに使われています。
引用元:養命酒HP
お灸そのものが熱による血行促進効果があったりしますが、
艾や熱刺激なしに血行促進が期待でき、
直接皮膚に塗るのが紅灸の紅花の効果、ということでしょうか。
薬と何が違うねん、というツッコミはありますが、
ツボやコリをねらって据える、という点でお灸なのでしょうか。。
実際の紅灸って赤いのかな~とか気になってしまって、学校の先生に聞いたところ、
「持ってるよ。」
ということだったので、見せて使わせてくれました!
購入できる!紅灸
先生が見せてくれた紅灸が、こちら。
鹿児島の丸一製薬会社が製造している第三類医薬品で、
日本では唯一ここでしか紅灸は作って販売していないとのこと。
今はネットでどこのものでも購入出来て便利ですね~
丸一製薬会社のHPによれば、(長文引用します)
鹿児島で家庭常備薬として愛用されている
本常盤白紅(ほんときわしろべに)と強力常盤白紅(きょうりょくときわしろべに)
創業は明治!当時は「常盤商会」という屋号でスタートしましたが、昭和24年に現在の「丸一製薬(株)」として法人化。戦後の施策により医薬品として認定されました。
当時から特に医療の行き渡っていない地域などであらゆる症状に使われていたようです。そのころは鹿児島弁で「べにさしさー」(べにさしさん)と言われる「しろべに」を患部に塗ってあげる方々が各地にいらっしゃいました。
以来現在まで100年以上、家庭の必需品として愛用されております。創業時は「本常盤赤紅」(ほんときわあかべに)を主に製造しておりましたが、現在では「本常盤白紅」(ほんときわしろべに)・「強力常盤白紅」(きょうりょくときわしろべに)の製造となっております。
効能又は効果は
腰痛 ・ 打撲 ・ 捻挫 ・肩こり ・ 関節痛 ・ 筋肉痛 筋肉疲労 ・ しもやけ ・ 骨折痛の 9項目です。
健康な方も、風呂上がりや就寝前に ボンノクボ(後頭部)・肩 ・ 背骨とその両側・ へそ ・ 足のふくらはぎ ・ 特に足の裏等に塗るとよろしいようです。特に寝る前に塗ると血行がよくなりメントールとの相乗効果でリラックスできると思われます。
※汗と混ざるとヒリヒリしますので、特に夏場は汗を良く拭いてお使い下さい
健康な時こそ、毎日寝る前に頭の皿や足の裏等に塗り健康維持にお役立てください。ストレスの多い現代社会においてリラックスすることが何よりの健康管理ではないでしょうか。
と、鹿児島に根付いた昔ながらの民間薬であることが分かります。
ですが、お灸である、とは一言も書いてないですね。
これがほんとに紅灸なのかな?とも思ってしまうのですが、
この丸一製薬会社さん、鍼灸用品を販売しているので、鍼灸よりなお薬(?)の会社と言えるかもです。
先生の持ってる紅灸。ちょっと塗らせてもらいました!
塗ってみた
肌の上にのせたところ、ベタベタなのかと思いきや、
凄くサラサラでさっぱり。
そして、無色透明(?)に見えた紅灸。
透明な容器で中の色が分かる商品を見つけましたが、
ほんのりと紅花の色がついていますね。
そして容器の形状がまさにアンメルツ。
塗ってみるとアンメルツと同様、とてもスース―して、まさに肩こりに効きそう。
この紅灸の気になる成分はこちら。
日本薬局方薄荷油 1%
日本薬局方・トウガラシチンキ 1.5%
樟脳精 85%
紅花水 12.5%
引用元:丸一製薬株式会社HP
「紅花水」が含まれていてさすが紅灸です。
そしてスース―の正体は「薄荷(はっか)」のようです。
なじみのある薄荷の匂いでした。
そしてトウガラシチンキが入っているからなのか、紅花の血行促進効果からなのか、
じわっ・・と塗った所の血行がよくなってるような・・皮膚にじわじわ来てる感覚がありました。
モグサを使ったお灸のほわほわした温熱の刺激とは異なり、
もはや塗り薬ですが、民間薬として薬の普及していない時代を支えてきたのかなと思うと、
富山出身の私は、ちょっと感慨深くなる一品に感じました。
国試にも出題
紅灸が分かった所で、
国家試験の過去問。
温熱刺激を与えない灸法はどれか。(第9回-154)[きゅう理論]
1、ビワの葉灸
2、生姜灸
3、紅灸
4、ニンニク灸
温熱刺激を使わず、薬物刺激である紅灸が答えだ!と分かりますね。
紅灸、実物を使ったことがなくとも、アンメルツや液体になったシップを想像するといいかもしれないです。
使ってみたい人はぜひ購入してみてください!
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