伝導路。
理解するのにめちゃくちゃ苦戦させられた、鍼灸学生ともつぼです。
解剖学でも、生理学でも、あまし理論でも、はりきゅう理論でも、色んな科目で出てきます。
教科書の文章だけでは分かりづらいですよね。
覚え方を私なりにカラフルにまとめてみます。
鍼灸学生以外にも伝導路を学ぶ学生さんのお役に立てれば幸いです!
目次
伝導路キホン
このブログで説明するのは、これ。
メインは色付けされた伝導路です。基本から解説していきます!
伝導路の名前
伝導路の名前。
外側脊髄視床路と外側皮質脊髄路など、
似た名前ですが、どちらが感覚性・運動性なのか、名前で判別がつきます。
感覚は皮膚などの効果器で感じた情報を、脊髄を経由し、脳に伝えますが・・
外側脊髄→視床 路
前脊髄→視床 路
後索→内側毛帯 路
脊髄→小脳 路
いずれの感覚伝導路の名前も、脊髄→脳という流れのままの名づけになっています。
運動は脳からの命令を脊髄を経由し、筋肉などの効果器に伝えますが、、
外側皮質→脊髄路
前皮質→脊髄路
赤核→脊髄路
オリーブ→脊髄路
こちらも、いずれの運動伝導路の名前も、脳→脊髄という流れのままの名づけになっています。
この基本を知っておけば、選択肢の中にいろんな伝導路があっても、
感覚性か運動性かをまず絞れば4択が3択になったり2択になったり、選んではいけない選択肢が判別できるし、
外側脊髄視床路と、外側皮質脊髄路という似た伝導路が出てきても、
脊髄が前にくる伝導路なのか後にくるのかで、前者が感覚性、後者が運動性と全く別物であることが分かりますね!
ニューロン
スタートからゴールまで何本のニューロンでバトンをつなぐのか。
感覚性、運動性、そして自律性によって異なります。
感覚神経は3つのニューロン、運動神経と自律神経は2つのニューロンがバトンを繋ぎます。
伝導路では、どこでニューロンがバトンタッチするか、を覚える必要がありますが、
そもそも走者が何人なのか、が感覚神経、運動神経、自律神経によって異なります。
名前も、走者が3人の感覚神経は一次、二次、三次、
走者が2人の運動神経は上位、下位、自律神経は節前節後と異なります。
名前がゴチャゴチャにならないように、また、走者が何人いるかを覚えておきましょう!
なんで感覚だけ3本なのかは謎ですが、痛み感覚とかは、伝言ゲームの走者が多いと正確に伝わらない(痛くない)というのが生き物にとってメリットなのか?!と思っています。
伝導路のみちすじ
ここから、ややこしい道筋についてみていきます。
情報量が多いです。。
見ていきましょう!!
図解アニメーション
それぞれ、方向と通るポイントを図解アニメーションで見ていきます!
錐体路
錐体路は、大脳皮質から、動け!という指示を筋肉に伝える神経の流れです。
延髄の錐体で交叉するので、錐体路。
交叉後は、反対側の側索を通って下降し、脊髄の前角までが上位ニューロンです。
バトンタッチして筋肉に指令を伝えます。
長後索路(後索-内側毛帯路)
長後索路(科目によっては後索-内側毛帯路という表記だが、同じ伝導路)は、
感覚器から得た精細な触圧覚、位置覚、振動覚などの情報を脳に伝えます。
「長後索路」というのは、第一走者が後索路を首まで長く伸びて伝えるから。
次解説する脊髄視床路に比べ、長~~~~いです。
そして、延髄の後索核でバトンタッチした第二走者が、橋の内側毛帯路で交叉するので、後索-内側毛帯路。
別名も合わせて覚えておくと、ポイントが浮かび上がります!
(外側or前)脊髄視床路
脊髄視床路は、脳に感覚を伝える伝導路です。
長後索路に比べ、第一走者が背髄後角ですぐバトンタッチし、
そのまま反対側に交叉し、側索を上れば外側脊髄視床路、前索を上れば前脊髄視床路です。
長後索路、脊髄視床路、いずれも間脳の視床で第三走者にバトンタッチですね!
最低限覚えるべきポイント
伝導路で最低限覚えるべきポイントをまとめてみました。
伝導路の名前がヒントになるところは色付けしてみました。
ヒントが結構散りばめられている、と思うとちょっと覚えやすいですよね!
感覚伝導路の覚え方とゴロ
長くなりそうなので、別記事にてまとめます!!
この記事で絶対に覚えられます!!!
国家試験問題
色んな科目から出題されています!
(はき第29回-176)[きゅう理論]
答えは外側脊髄視床路です。 まず、運動性の外側皮質脊髄路は選択肢から外れるので、3択になりますね。 熱刺激の感覚性伝導路を選ぶと、外側脊髄視床路になります。
(はき第23回-35)[生理学]
選択肢を見てください。運動性の伝導路が一つしかなくて、他は脊髄→脳と向かう感覚性です。ラッキー問題ですね!
(は第19回-147)[はり理論]
感覚を伝える伝導路を選ぶ問題なので、運動性の皮質脊髄路と錐体路は答えから外れますね。 脊髄視床路と後索路では、痛み刺激を伝える(外側)脊髄視床路が答えですね!
(あ第29回-156)[あん摩マッサージ指圧理論]
触圧覚に関連するものを選ぶ問題です。後索路の後索核ですね、
(はき第14回-28)[解剖学]
錐体路は運動性伝導路ですね。 後索は感覚性にしか出てこないので、これが答えです。
伝導路の基本の図
下行性と上行性 上下表示逆ではないでしょうか
ご指摘ありがとうございます!
表、逆でしたね・・。修正しました!ありがとうございます。
鍼灸師になって10年近く経ち、コロナ禍の閑散期に乗じて、教員養成課程に通いだしました。私の出身校は当時実技重視で国試の合格率も低く、とりわけ解剖生理には私を含めてアレルギー反応を起こす生徒がほとんどでした。いざ臨床デビューすると、西洋医学の基礎知識が脆弱であることがいかに足かせになるかを痛感しました。学び直し、弱点を払拭するため入った養成課程でしたが、勉強のブランクもあいまって他校出身のクラスメイトとの知識の差に絶望しておりました。今回のこちらのサイトは、整形外科学の再試の勉強中に辿り着きました。
とてもよく整理されているばかりか、センスの良いイラストやアニメーション、まったく高圧的(鍼灸師にありがち)でない説明文に感動しました。
このようなページを作成いただき、心から感謝いたします。
やきか55さま
コメントありがとうございます!
鍼灸師になって10年、さらに教員養成科に通っておられる方にそんな風に言っていただけて嬉しいです。
解剖生理は私も苦手でかなり時間をかけました。アニメにしないと脳内で混乱しちゃって作ってるところもあります。(笑)
いまだにちゃんとわかっているとは言えないところもあるので、、力不足なところがありますが、参考になったのであれば幸いです!!