就活で「自分の研究・専攻分野を活かせる会社に就職したい」は誤り!20代人事が論破する

「自分の研究を活かせる仕事は御社だと思って検討しています」

「文理問わず採用していますか?」

小さなメーカーではありますが、いっちょ前に人事・採用担当をしている20代人事のtmoが、

就活生からよく聞かれる言葉です。

自分が就活生だったときのこと、人事・採用担当になってから就活生とお話していて考えること、感じることをもとに、

「自分の研究・専攻分野を活かせる会社に就職したい」は誤り!と感じた事例と理由を書き綴っていきます。

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やりたいことのために、学んできたことを損切りできるか?

就活生の気持ちとしては、

「受験勉強頑張って、やっとの思いで合格して、高い授業料を払ってもらって行かせてもらってるから、

自分の研究・専門分野を活かせる会社に就職したい」

と思いますよね。

自分が投資してきた時間と努力、そして親がかけてきたお金と期待を無駄にしたくない、

そして過去を無駄にしないような就職をすることが、自分にとっての進むべき道なんだ・・

そう、思いますよね。

 

本当に心から学びたいこと、つきたい仕事があって、

行きたい大学の行きたい学部に無事進学でき、その先の職業も明確な人はそれでいいでしょう。

 

ですが、やりたいことはこれだ学びたいことはこれだと思って、進学するも、

大学生活で自分の世界観が広がって、

他の興味、生涯つきたい仕事が見つかった人もいるはず。

 

成績や、通学面、学費、はたまた親の意見や学歴ブランドなどに左右され、

自分の明確な意思があったわけではなく

なんとなくで大学に進学し、勉強に身が入ってなくて、、

結局趣味ばかりやってるとか、バイトばっかしてるとか、フラフラしてる・・なんて人もいますよね。

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私も恥ずかしながら、高校生まで何も考えていなくて、大学生活もなんとなく過ごした学生でした。。

なんとなく過ごしたtmoは、教授がゆるそう、となんとなく神経細胞の研究室に所属。

説明して分かる人間がどのくらいいるのだろうか、っていうくらいのマイナー分野です。

(研究って千差万別で誰しもがマイナー分野ですよね)

(マイナー分野なのに、高校生のときから神経に興味があってこの大学・学部学科・研究室に入るために勉強してたどり着いた、なんて学生もいるから心が痛い)

そして就活になってピンチになります。

「あれ、先輩は神経細胞と関係ない仕事に就職決まってるけど、真面目に研究と学業だけ頑張ってれば仕事はあっちから推薦あるんじゃないの自分で選ぶの

「今までの勉強を活かせる仕事って神経に関すること?ピッタリ当てはまる仕事が分からないし、そもそもこの研究なんとなく決まったのに今後も続けたいとは思わない・・

当時のtmoは、そんな風に考えていました。

今までの勉強(やりたくはない)を無駄にしたくはないけど、

かといってどんな仕事が自分の研究の先にあるのか分からないし(というのは言い訳で調べようとすらしていなかった)、進みたくない気持ちが強い。

生意気でなんと自分勝手でワガママなのでしょうね。笑

社会人になったtmoは、当時を振り返ると、

就活こそ、「やりたいことは何か?」を改めて自分に問い質し、

答えが出るまで悩むべきだった、

自分の進むべき道を、自分で決められる最後のチャンスだった、と思っています。

 

今までの時間が無駄になるような選択になったとしても、

過去を無駄にすべきでないと同じくらい、これからの人生を無駄にしてはいけない

当時の自分が一番やりたいことを選ぶべきだった。

あの時頑張ってれば・・なんとなくで決めなければ・・よかった。

過去の自分が頑張ったのは間違いじゃないし、すべてが無駄になるわけではない、と思って、

損切りして、これからの自分のために前に進むべきだった・・・

と思うんです。

それに、人事担当になった今、一つの会社に同じ研究室出身の人が複数名いることは、ほぼ、ありえない。

分野も、学部も、異なる人たちで仕事を成し遂げています。

研究室差別になってもダメだし、一つの視点だけでなく様々な角度で問題を解決していかなければならないからです。

 

学生がやってる研究がピッタリハマる仕事は、そのままその研究室で研究員にでもなること。

それ以外ではほぼありえないし、ピッタリハマったとして、

その会社がブラックだったら?社風が合わなかったら、赤字続きで倒産寸前だったら?

自分のやる仕事を、自分が学んできたことのレールの上にあるかどうか、その一つの要素だけで決めるのは、いい選択とは言えないですよね。

 

これを読んでいる就活生のみなさん、少しでも自分の前に敷かれたレールが見えづらかったり、

進むのをためらっているようでしたら、損切りする勇気を持ちましょう!!

4年学んだ若造よりその道のプロにギャラを払うほうがコスパが良い

新卒を採用する際、気になるポイントに、

「コスト」

があります。

 

相場を申し上げますと、

企業が新卒を一人採用するのに、だいたい50万円くらいをかけていると言われており、

その新卒を一人前にするのに5年かかるとして、人件費や育成費などもろもろもあって、

トータルすると、約1500万円くらいが、一人の新人にかかります。

お高いですよね。

 

時間もお金もかかるので、誰を採用するか、が肝になるのですが、

いまの日本の新卒採用はポテンシャル採用と言われ、

「コミュニケーション能力」「学歴」が高い学生を好み、

潜在能力が高く育て甲斐があって、将来性があるかどうかを見込んで採用する企業が多いです。

 

就活の迫る大学3年にもなるとわかるかと思いますが、、

よほど国家資格などが取得できる学部学科にいるのではないのであれば、

4年間で身につく専門性なんてに等しいと、企業側は思っているので、

ポテンシャルで採用するのです。

 

つまり、「専門性をアピールしてくる学生」は魅力には映らず、

「長く働く意志のあって社風に合いそうな、ポテンシャルのある学生」が、

磨けば光るダイヤの原石に見えるのです。

 

専門性を求めるならば、新卒にお金をかけるなんてバカ高くなっちゃうから、

その道のプロに100万のギャラで頼んだほうが安い。

知識量を考えると圧倒的なコスパです。

自分のゼミや研究室の教授とか、喜んでオファー受けそうじゃないですか?笑

 

企業にとっての新卒の強みは、専門性ではなく、時間をかけて育つかどうかであり、

何年も何十年も勤務してくれる気持ちや意欲があるかどうか。

応用力・適応力・成長性は若いほどあるとみなすのです。

つまり、就活生にとって、専攻分野は考慮はしてもとらわれるものではない。

異分野異業種なんでも挑戦できるのは就活だけと思って、やりたい、という意思が向く仕事を選びましょう。

 

ここまで言いましたが、企業によってどこまでポテンシャル採用の度合いが強いか、専門性を重視するのかは様々なので、

社員の方の学歴や専攻分野に偏りがあるかどうかを人事担当に聞くといいですよ!

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専門外への異動は避けられないし、勉強は社会人になってからこそやるべき

会社に入ると、いろんなバックグラウンドの人がいるもので。

高卒もいれば、理系出身なのに人事をやってる人もいれば、文系出身なのに機械をいじってる人もいます。

部長や課長の経歴を聞いて、

「めちゃ意外!!」と驚かされる遍歴を聞くことなんてザラにあります。

会社に入ってからの経験の積み重ねで、いかようにもなれるんです。

 

学歴または専攻分野という一つの要素によって、出世や配属に影響が出ることは少なく、

何事も本人の、「やってみよう」という気持ち次第で、経験が積まれ、それが成長に繋がります。

 

会社に勤める限り、異動はあります。

全く違う業務を行う部署へ異動が決まった、という部へのジョブローテーションもあれば、

異動・退職・産休などの理由で引き継ぎが発生する・新規案件対応で自部署に仕事が増えるなどの

ジョブローテーションもあり、

どちらもカウントすれば数年に1回はなにかしらのローテーションが発生します。

 

その際に、何かと理由をつけて新しいことをしない人もいれば、

学歴や経験不足を出来ない言い訳にせず、周りに頼りながら調べながら前に進むのをやめない人もいます。

後者の姿勢は、学歴ではなく、本人の意志によって生み出されるものですよね!

転職市場では学歴よりも経験値

Aさん:4年工学を学んで4年人事畑

Bさん:4年文学を学んで4年工学畑

こんな二人がいて、あなたが機械メーカーの採用担当だったとしたら・・

どちらを採用するでしょうか?

悩みますよね。私も悩みます。

だったら、こんな場合だったらどうでしょうか?

Cさん:4年工学を学んで10年人事畑

Dさん:4年文学を学んで10年工学畑

機械メーカーの採用担当だったら、Dさんの方が魅力的に映りますよね!!!

もう、何が言いたいことかわかったと思います。

 

要は、社会人経験の方が、学生の学歴よりも長く高く積み上がる。

遠い昔に学んだ専攻よりも、より現状に近い社会人経験の方が、重要視されます。

何か異なる分野・業界にキャリアチェンジしたくなったら、逆に辛いので、

仕事選びは積みたい経験選びでもあります。

最後に

「自分の研究・専攻分野を活かせる会社に就職したい」は誤り!

ということの理由について述べていきました。

やりたいことを就活で突き詰めてもらいたいと感じています。

そして、その手助けとなる1冊をご紹介。

石原さとみさんとの熱愛で知名度がぐんとアップした、

SHOWROOMの若手社長、前田裕二さんの著作です。

前田裕二さんは、就活のときに、自己分析ノートを30冊作って、

ひたすら自己内省したんだそうで、自分が何をしたいかをどう見つめればいいのかがわからない就活生におすすめです。

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